ソウルダスト - 〈意識〉という魅惑の幻想

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ソウルダスト - 〈意識〉という魅惑の幻想

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314010955
  • NDC分類 141.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

〈意識〉は脳内のマジックショーにすぎない――
それはいったいなぜ発生し、生物学的にはどのような役割を果たしているのか?
意識研究の最先端を切り拓く大胆な仮説を提唱する、理論心理学者ハンフリーの集大成!

 
本書『ソウルダスト』でハンフリーは驚くべき新理論を提示する。意識は私たちが頭の中で自ら上演するミステリアスなマジックショーにほかならないというのだ。この自作自演のショーが世界を輝かせ、自分は特別で超越的な存在だと私たちに思わせてくれる。こうして意識はスピリチュアリティへの道をつけ、そのおかげで私たち人間は、ハンフリーが「魂のニッチ」と呼ぶ場所に暮らす恩恵を受けることができると同時に、死への不安も抱くことになる。

隙のない主張を展開し、知的好奇心と読書の喜びをかき立てながら、深遠な難問に次々と答えを出していく。そして、誰もが頭を悩ます疑問、すなわち、いかに生きるべきか、いかに死の恐怖に立ち向かうかという課題に、意識の問題が直結していることを明らかにする。

神経科学や進化理論を基盤に、哲学や文学の豊富な知見を織り交ぜて書かれた本書は、意識の正体についての独創的な理論を提唱すると同時に、人間の生と魂を讃える――

リチャード・ドーキンスやダニエル・デネット、マット・リドレーら著名な科学者たちからも支持を得る、〈知の軽業師〉ハンフリーの刺激的論考。


【本書への賛辞】

理論心理学者のハンフリーは絶好調だ。シェリーやキーツなどのロマンティックな詩情と、シャーロック・ホームズばりの鋭利な知性を持ち合わせた彼は、その明敏な頭脳をもって、科学の一大難問「意識の進化的な起源」に切り込んでいく。そしてこの解決不可能とされる問題に、これまでで最も優れた答えを出したのだ。
   ――V.S.ラマチャンドラン(『脳のなかの幽霊』著者)


科学者が自然現象の解明を試みると、マジックのようなミステリアスな面を見落としていると非難されることもある。だが、この詩的な驚異の一冊で、ニコラス・ハンフリーは正反対のことをやってのけた。彼は脳を探究するうちに、マジックこそが意識の要であることを発見したのだ。
   ――マット・リドレー(『やわらかな遺伝子』著者)


ニコラス・ハンフリーは、大胆さと慎重さを兼ね備えた、類稀な知の軽業師だ。
   ――ダニエル・デネット(『自由は進化する』著者[過去の作品への賛辞])

 
●目次●

 招待の口上

 【プレリュード】

 第1章 目が覚めるとはどういうことか
  意識にまつわる難問/アンドロメダからの訪問者/哲学的ゾンビ人間/私秘的な意識/自然淘汰が目にするもの/科学理論があれば記述できる/「何かのようなこと」/探究の方針

 【第1部】

 第2章 「何かのよう」であるということ
  プラトンの洞窟/アッラーに似たものなどない/グレガンドラム/志向性、イプサンドラム/意識というマジックショー

 第3章 私秘化した反応
  センティション――私秘化した表現活動/準備は整った

 第4章 ループをたどる
  数学的なものとしてのイプサンドラム/感覚と時間/意識の神経相関

 【第2部】

 第5章 意識の重要性
  パラダイムシフト/意識の発達史/動物の意識
 
 第6章 そこに存在すること
  この素晴らしき世界/生きる意志/動物に現象的意識はあるか?/意識ある自己/死すべき運命/動物の死/死を恐れる

 第7章 魔法をかけられた世界
  もの自体の崇拝/雨上がりの森で/ラマチャンドランらの偽手実験/あなたの歌を歌うものたち/私たちは王さまに劣らぬほど幸せだ

 第8章 そうか、それが私というものだったのか!
  絶対的な溝/あなたの人生はあなたのもの/心のなかの自由/ソウルダスト――魂のまばゆいかけら

 第9章  自分自身であること
  一つのまとまりとしての「自己」/意識あるエゴという宝島/世界のただ一人の相続人
 
 【第3部】

 第10章 魂の生態的地位に入る
  鱒は川で、ゴリラは森で、人間は魂の国で/渦巻き

 第11章 危険な領域
  人生には生きる価値があるか?/一五万年間の実存的な不安/自殺

 第12章 死を欺く
  未来を割り引いて考える/非個人化/死を否定する/途中で降りたほうがましなゲーム/魂の不滅

 最終章 結び
  意識の進化/アンドロメダの科学者は地球に来ない

 訳者あとがき
 原注
 索引

【著者からのコメント】
 
 私が行き着く答えは、これまで科学が示してきたものとは似ても似つかない。これ自体は、けっしてほめられたものではないことは認めざるをえない。どう考えても、科学は革命的ではなく累積的なものであってしかるべきだから。とはいえ、人間が自分の経験にまつわる謎について抱く大きな疑問に関しては、意識についての従来の研究がほとんど何の答えも出せていない事実を考えれば、私たちにおなじみの科学には、もう頼ってはいられないのかもしれない。
 物質的世界は、人間にマジックのように不思議な魂を与えてくれた。そして人間の魂はその恩に報いて、この世界に魔法をかけた。こうした驚くべき出来事を理解するために、物事を一からたどり直してみよう。
(本書「招待の口上」より)

【著者紹介】
 
ニコラス・ハンフリー (Nicholas Humphrey)
ロンドン大学経済学部名誉教授。ケンブリッジ大学でph.Dを取得(心理学)。ダイアン・フォッシーと、脳を損傷したサルで「盲視(ブラインド・サイト)」の存在を最初に証明した。人間の知性と意識の進化をめぐる業績で国際的に知られ、マーティン・ルーサー・キング記念賞や英国心理学会図書賞などを受賞している。邦訳に『内なる目――意識の進化論』『喪失と獲得――進化心理学から見た心と体』『赤を見る――感覚の進化と意識の存在理由』(以上、紀伊國屋書店)がある。


柴田裕之(しばた・やすし)
翻訳家。早稲田大学理工学部、米・アーラム大学卒業。訳書に『なぜE=mc^2なのか?』『共感の時代へ』『赤を見る』『神々の沈黙』『ユーザーイリュージョン』(以上、紀伊國屋書店)、『繁栄』(共訳、早川書房)、『「うつ」がこの世にある理由』(河出書房新社)、『ピュタゴラスの音楽』(白水社)、『叛逆としての科学』(みすず書房)他多数。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

eirianda

8
意識というものは幻想、自身の思い込み、なのだから、どうせなら著者の言うようにポジティブな感覚を中心に持ち続けたい。そして生き甲斐を感じて一生を終えられれば、いいかな、とも思う。しかしずっとずっと死を欺くことなどは続かないでしょうね。苦老病死は時折、誰に対してでも顔を見せるし。それに、不滅の魂? それはどう信じられるのかしら? 不信心な私には余程の出来事でもないと無理かなぁ。ただ、日々、なるたけワクワクする感覚や陶酔する瞬間を大切に過ごすのは、大事と思う。同じ人生もったいないし。著者の他の本も読んでみたい。2015/12/08

水菜

7
うーん、しっくりこなかった。私の理解力が足りないのかも知れないが…。「意識の進化論」と言える本書だが、「自己」そのものが発生した説明が少ないような気がした。「人生はすばらしい!」みたいなところも好きじゃないなぁ。これは私自身が精神疾患を持っているからかも知れない。生きていることはそんなに素晴らしいこのなのかな~と思ってしまった。2014/02/08

6ちゃん

4
クオリアの罠に嵌らないよう、如何にして意識を科学的に研究していくか、少々の実験結果と大多数の自然科学以外の知見を元に推論に推論を重ねた書。そのため、本書の結論は意識に対する1意見に過ぎないのだが、「盲視」の先駆的研究者である著者の意見は示唆に富んでいる。意識という壮大な「ファンタジー」が進化の結果であり、それが単なる知的機能の随伴現象ではなく人間にとって多大な恩恵を与えるものとする意見には自分も同意見だ。この結論が外れでないことは、今後脳関連の観測技術が飛躍的進歩を遂げることで明らかになるはず。2018/01/12

fieldh

3
ややがっかりさせられた。まず、いわゆる哲学的ゾンビに関して、D.Chalmersは、それが存在すると言っているのではなく、それが存在するとすればいかなる形で存在しうるか、という問題提起をしているのであり、これは著者の理解不足と思われる。また、「人間の心のなかで意識経験が生じるとき、それは脳のなかで起こるさまざまな出来事の結果であり、その結果として人は意識を持たざるをえない」とあるが、そもそも因果的閉包性を仮定するならば、そのこと自体は自明であり、「その先」が本当は困難な部分なのだ。2012/10/26

メルセ・ひすい

3
15-161 神経科学 進化理論 脳科学から脳内のマジックショー⇒意識に切り込む<知の軽業師>! ☆「意識抜きでは、心身問題はずっとつまらないものになってしまう。だが、意識を考えに入れると、絶望的に見える」トマス・ネーゲル 著者は意識抜きでは人間はつまらないものだが、意識を考えに入れると、人間はあまりにおもしろすぎる! ★未だ解決を見ない難問として人類の前に立ちはだかる「意識」の謎。その解明をライフワークとする理論心理学者ニコラス・ハンフリーの集大成。意識研究の最先端を切り拓く大胆な仮説を提唱する。2012/06/28

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