内容説明
日本や韓国で「ふろしき」や「ポジャギ」を使う人が少なくなった。しかし、この「古い物」の世界を記憶の化石ではなく、未来を語る方言として、新しい文明の象形文字として読んでいくと今までと違った草原が見えてくる。「カバン」に物を入れる西洋文明に対し、「ふろしき」で包み込むアジアの文明!アジアから発信する「文明の未来」を語る時が来た。
目次
「ふろしき」と「カバン」―ふろしき文化はフレキシブル文化
「おくるみ」の家―包むか、入れるか、これが東西文明の違いを産んだ
屏風の意味論―世界でもっとも薄い壁と厚い壁の対決
「箸」のメッセージ―箸は料理を作る人と食べる人の橋
「坐るもの」の詩学―坐っても坐らなくても椅子は変わらない。しかし蒲団は
左右がない草鞋の世界―これか、あれかの二項対立を越えるアジアの心
加減文化の明暗―「加減がいい」と「いい加減」は正反対。日本、韓国人の不思議な計算法
「包み文化」と「奥の美学」―心の付加価値、今でも「のし」紙をつかう日本人
卵のつと(苞)と「ワラ文化」―稲作文化圏は革と違う柔らかい循環のリズムを作る
ノイズから作られた秩序―不用なものも棄てない。共生の知恵
カササギの餌―貧しい人達だったが、他の生き物と食べ物を分けあった
松竹梅で包む東アジアの文明―寒さの美学で明日の春に向かう勇気と清らかさ
著者等紹介
李御寧[イーオリョン]
1934年、韓国忠清南道に生まれる。ソウル大学、同大学院修了・文学博士、『韓国日報』『朝鮮日報』論説委員、梨花女子大学教授、韓国初代文化大臣を経て、ソウルオリンピック開閉式を企画、現在、梨花女子大学名誉教授
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