内容説明
インフラ近代化の扉を開いた技術者たちの生き方から学ぶ。今後のインフラをどうするか。河川工学の第一人者からの提言。
目次
廣井勇とその弟子たち(古市公威から廣井勇へ、近代化の扉を開く;天意を覚った真の技術者―青山士;生涯を台湾の民衆に捧げた八田與一;雄大な水力発電事業を実行した久保田豊;科学技術立国に一生を捧げた宮本武之輔;河川哲学を確立した安藝皎一)
今後のインフラ整備に向けて(今後のインフラをどうするか;今後のインフラ整備への条件)
著者等紹介
高橋裕[タカハシユタカ]
1927年静岡県生まれ。1950年東京大学第二工学部土木工学科卒業。1955年東京大学大学院(旧制)研究奨学生課程修了。1968年から1987年東京大学教授。1987年から1998年芝浦工業大学教授。2000年から2010年国際連合大学上席学術顧問。現在、東京大学名誉教授。専門は河川工学、水文学、土木史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みちしるべ
2
東大本郷キャンパス内にあった銅像のおじさん(古市公威)が、こんなに影響力のあった人とは知らなかった。また、廣井勇さん(小樽運河作った人)が、その後100年分のコンクリート強度チェック用のブロックを用意してるエピソードに、土木技術の先駆者としての気概を感じて、心が震えた。台湾の八田ダムは現地の人の案内で行ったことがある。八田與一さんが尊敬されているエピソードは、ホント。今の日本は、ODAでお金を配るだけ、技術者支援をしてないと聞く。地震、洪水、津波と闘ってきた土木大国だからこそできる国際協力があるはず!2021/04/24
後藤良平
1
出てくる名前だけで、内容が分かり満足してしまう程。古市公威、廣井勇、青山士、八田與一、久保田豊、宮本武之輔、安藝皎一。皆、河川畑ということになる。今まであまり認識していなかったのが安芸さん。資源調査会から、昭和35年に国連の日本人技術者の最高ポストである、ECAFEの治水・利水局長へ。こんな国際的な方が居られたとは。今後のインフラ整備に関する項では、土木技術者の日本での評価の低さに触れている。更に現場と土木史の重要性も。大学時に土木史を学んだら、もっと早く更に土木にのめり込んでいたかも。年間№131購入2022/11/30
そうき
0
明治〜戦後にかけて活躍した土木技術者に焦点をあてており、各人の並々ならぬ熱意を感じることができる。概観するには手軽だと思うが良くも悪くもあっさりなので、もう少し読み応えが欲しいと感じた。 後半の提言部分については技術者として当然の心構えなど記されており、特に目新しさは無いものの改めて気を引き締めようとは思った。やや筆者の自分語りな側面もあいまって「ワシの若い頃は〜」調になっていたのが好みではないが。2021/01/24