内容説明
アーキテクト不在だった土木を変えた男たちの創世記。近くて遠い隣人、土木と建築―。その総本山たる東大土木に、他大学出身の建築家を招へいした開学以来初の人事。土木のデザインを切り拓いた数々のプロジェクト、新しい学問と実践を生み出す苦悶と醍醐味をつづった半自叙伝。
目次
1章 平成八年四月、都市計画家・加藤源
2章 研究室の将来を悩むなかでの出会い
3章 旭川・現地へ、平成八年一〇月
4章 もう一つの連立、日向プロジェクト始動
5章 招聘
6章 内藤との赤い糸
7章 土木における内藤の教育と大学生活
8章 内藤の建築と建築界
9章 建築と土木、そして都市工
10章 コラボレーションデザイン
11章 GSデザイン会議
著者等紹介
篠原修[シノハラオサム]
土木設計家、東大景観研の初代教授。1945年栃木県生まれ、神奈川県育ち。東京大学大学院修士課程修了後、アーバンインダストリー入社。東京工業大学研究生、東京大学農学部助手、旧建設省土木研究所主任研究員、東京大学農学部助教授を経て1989年東京大学工学部助教授、1991年東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻教授、2006年政策研究大学院大学教授。現在、東京大学名誉教授、政策研究大学院大学名誉教授、GSデザイン会議代表、エンジニア・アーキテクト協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hos
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人事の内幕なんか読む人が読めば面白いのでしょうが。2014/05/04
meòrachan
0
考えてみると土木で作られるものって大きな建築物と捉えられるものあるのだからデザイン重要と思いました.橋とか公園とかデススターとか.一人称が自分の名前なのが不思議でした.2021/04/17
そうき
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土木デザインという分野が確かに存在するんだということを実感できただけでも面白い本だけど、個人的には建築と対比した土木、都市工に対する批判のくだりが印象的だった。 文明の要請に盲目的に従い続けたが故に自らの方向性を打ち出せないことや、行政が大きなプレイヤーであることによる弊害の指摘はかなり自分の考え方と近いものだった 都市工がただの事務屋になりかねないということはかなり危機感を抱いているので、土木・建築の知見を身につけるのが当面やるべきことなのかなと。2020/03/25