SD選書<br> 時のかたち―事物の歴史をめぐって

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時のかたち―事物の歴史をめぐって

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784306052703
  • NDC分類 704
  • Cコード C1352

出版社内容情報

芸術史のコペルニクス的転回。事物に従って生み出される、事物による事物の歴史。革命的書物、宿願の初邦訳。(岡?乾二郎)芸術史のコペルニクス的転回。事物に従って生み出される、事物による事物の歴史。人のつくったすべての事物を芸術として扱うことで出現する単線的でも連続的でもなく、持続する様々な時のかたち。先史以前/以後の区分を廃棄。革命的書物、宿願の初邦訳。──岡崎乾二郎

形として美術をとらえるというこのもうひとつの定義は、もはや流行遅れとされている。しかし誰でも少し考えさえすれば、いかなる意味も形を持たなければ伝わらないということに思い至るだろう。どのような意味も、それを支えてくれたり運んでくれたり包んでくれたりするものを必要としている。それらは意味の運搬者であり、それらがなければ意味は私からあなたへ、あなたから私へ、あるいは自然界の一部から別の部分へとは伝わらない。
(中略)
あらゆる芸術の形の構造にも、似たような秩序があるにちがいない。しかしそこに象徴性の強い作品群が現れれば、その系統のなかでの形の規則的な進化に干渉し、混乱を生じさせることになるだろう。視覚的なイメージによる干渉はほとんどすべての芸術に存在している。このことは建築にも当てはまる。一般に建築は、イメージを表現しようとする意図を欠いていると思われているが、ある表現が次の表現へと導かれるときには、それが大昔のものであれ最近のものであれ、過去の名建築のイメージを典拠としているのである。
本書の目的は、シリーズやシークエンスのなかで持続する形態学的問題に注意を向けることにある。これらの問題は意味やイメージとは独立して生じる。これは、研究者たちが「単なるフォルマリスム」に背を向け、複雑にからみ合った象徴の歴史学的復元に向かって以来、四〇年以上にわたって誰も手をつけなかった問題なのである。──本書より(原書1962年刊行)

序文 ―― 象徴、形、持続
第一章 事物の歴史 ―― 伝記の限界/歴史家の責務/現在性の本質/自己シグナルと付随シグナル
第二章 事物の類別 ―― 形のシークエンス/素形物と模倣物/つながる位置、時代、そして変化
第三章 事物の伝播 ―― 発明と変化/模倣/廃棄と維持
第四章 持続の種類 ―― 速い出来事、遅い出来事/時のかたち
結論 ―― 発明の有限性/形と表現の等価性

ジョージ・クブラー[ジョージ クブラー]
著・文・その他

中谷 礼仁[ナカタニ ノリヒト]
翻訳

田中 伸幸[タナカ ノブユキ]
翻訳

加藤 哲弘[カトウ テツヒロ]
翻訳

目次

序文―象徴、形、持続
第1章 事物の歴史(伝記の限界;歴史家の責務 ほか)
第2章 事物の類別(形のシークエンス;素形物と模倣物 ほか)
第3章 事物の伝播(発明と変化;模倣 ほか)
第4章 持続の種類(速い出来事、遅い出来事;時のかたち)
結論(発明の有限性;形と表現の等価性)

著者等紹介

クブラー,ジョージ[クブラー,ジョージ] [Kubler,George]
美学者・考古学者。1912~1996年

中谷礼仁[ナカタニノリヒト]
建築史家、歴史工学家、早稲田大学教授。1965年生まれ

田中伸幸[タナカノブユキ]
プロダクトデザイナー、修成建設専門学校講師(田中おと吉名義)。1968年生まれ

加藤哲弘[カトウテツヒロ]
美学・美術史学史、関西学院大学教授。1953年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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eirianda

15
その時代時代によって生み出される芸術のかたちは、歴史を振り返ることでこの本のように、冷静に解析できるのだな。けれど、今を、少し先の未来を、同じように分かる方法があれば良いのに、と時流に乗れない無名の表現者は思うのであった。まあ、わかったところで合わせられないんだけどね。コロナの時代はどのような変化が起こるのだろうか。今、聞いてもやはり不確実さが増すだけか。もやもやする。2020/07/12

gorgeanalogue

12
美術史について何も知らないが、非常に面白かった。ルロワ=グーラン『身ぶりと言葉』に似て、立ったこともないような位置から発せられる抽象の力。人間の手によって作り出されるすべての事物を芸術と考える、という見地からは、①経験を伝達するための技術②持続する時間単位③発端となる作品と模倣物が作るシークエンスは開かれていて可塑的であり(シグナルは常に過去から事後的な形でやってくる)、そこでは形態研究や構造研究、イコノロジーはあまり役に立たない。持続と「減衰」を特徴とする「繊維の束」として見る「超」美術史または歴史論。2023/01/08

渡邊利道

6
1962年発表の美術批評の古典。時代による様式区分を軸にした伝統的な西欧美術史や、作品を構成する細部を象徴言語として読み解くイコノロジーに偏っている現状を批判し、数学から借りたシークエンス(数列)とシリーズ(級数)という時間的順序を前提に開かれたものとして美術史を扱う前者と、閉じられた集合としての美術作品群の中でのまとまりを示すものという後者で「かたち」を抽出する。自己シグナルと付随シグナルや、素形物と模倣物などを通して、単線的な歴史の外側で展開する「芸術」の時空を描き出していく。シンプルに凄く面白い。2020/08/11

kana0202

2
50年前の著作だがいまだに示唆に富む議論が多い。洋式や、いわゆる美術史を書き換えようとする試みと言えるだろう。そのとき重要なのはきっと、新しい美術史ではなく、単線的な時間軸に乗らない事物史なのだろう。かつて岡本太郎は、私は縄文の起源である、とどこかで言っていたと思う。いわゆる時系列をとびこえて事物のかたち(多分形態とはすこしちがう、可能性を孕んだ形態)を並べること。パウンドのニュークリティシズムとも近いか。考えるべき価値のある問題を教えてくれる一冊。2021/06/26

iwtn_

1
主に芸術における進歩の方法について、だろうか。言語や技術についても語っているが、文化・文明が残す事物、芸術品がどのようにして変化してきたのかを、歴史、類別、伝播、持続の種類などから語る。芸術分野でのイノベーション論を読んでいる気になった。前世紀半ばの本なので、そんな言葉は出てこなかったが。ある種の文化的な果実としての「素形物」(一般的な言葉ではない)とその模倣物の関連が興味深かった。他のキーワードとしてはシークエンスとシリーズかな?中々皮肉げな文もあり、そのあたりも気に入ってスイスイ読めた。2023/12/25

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