内容説明
歴史的な建築の空間は、日本であっても西洋であっても、ほとんど当時、言葉では記録されていない。当時の人々がその空間をどう感じたかについては記されていない。そこに空間史を記す必要性もある。残された建物を見て、歩きまわって体験し、また残された図面や実測された図面、古書などから理解する必要がある。本書は、西洋の建築が持っている空間の特性を知る行脚(空間史)の過程を述べたものである。
目次
第1章 古代(古代ギリシャの建築;古代ローマの建築)
第2章 中世(中世教会堂建築―ロマネスクからゴシックへ)
第3章 近世(ルネサンス;コーナー・ディテール(端部詳細)の扱い―古代から近代まで
壁面構成
近代建築と線
パラッツォ
「理想都市」の図
日本建築の壁面構成
アルベルティ
パラディオ
イル・ジェズ聖堂
浮遊
バロック
グロテスク)
第4章 近代・現代(近代・現代へ;近代建築・現代建築)
著者等紹介
安原盛彦[ヤスハラモリヒコ]
1945年生まれる。東北大学工学部建築学科卒業、同大学院建築学専攻修了、「『源氏物語』における寝殿造住宅の空間的性質に関する研究」で工学博士(東北大学)、東北大学工学部建築学科非常勤講師などを経て、秋田県立大学・教授。専攻は空間史、建築計画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まさ
1
やっと西洋建築史に興味持ってきたかな笑 読みやすくて、いままで習ったことの背景が見えてきました。 ギリシャ建築のコーナーディティールに興味を持ちました!2011/03/08
萩月すめら
0
素人が建築入門として初めて手に取った本であったが、やはり無学で読むには理解が及ばない所が有り、今読む物では無いなと云ふ事を終始痛感する本であった。しかし解らないなりにも少しは学ぶ所が有り、また解らないからこそ今後の学習すべき点として進路を見据へるのにとても役立った。タイトルこそ西洋建築に就てであるが、随所に和風建築に就て挙げられてをり、その物を学ぶに当たって対称となる物をも学ぶ必要が有る事を再認識させられた。事実、比較対称に因って指摘が明瞭であった。今後建築他分野を学んでから再読したい。2017/04/06
チチーズ
0
かなり分かりやすかった。著者は自分の専門を言葉で説明できる人。案外貴重。2013/08/08