出版社内容情報
啄木短歌がなければ近代に短歌はあっても、短歌の近代などなかった。
「何を歌うか」「どう歌うか」という問いに、「なぜ歌うか」という問いが浸潤する。
近代における短歌と対峙し、短歌における近代の扉を開いた啄木。
本書は、「近代」と「短歌」をつなぎとめる鎹(かすがい)となった啄木短歌の多様な試みと、
啄木と歌との個性的なかかわりを考察し、その歌の果たした役割に迫る。
はしがき
凡例
序
? 啄木短歌の言葉と表現
1 手を見るまえに
2 さばかりの事
3 「ふと」した啄木
? 『一握の砂』の詩的時空
1 ウサギとアヒルと『一握の砂』
2 石川啄木と非凡なる成功家
3 啄木「おもひ出づる日」の歌
4 啄木の耳
5 忘れがたき独歩
6 亡児追悼──『一握の砂』の終幕
? 『一握の砂』への道
1 「曠野」の啄木──啄木短歌と散文詩
2 明治四十一年秋の紀念
3 Henabutte yatta ──啄木のへなぶり歌
? 啄木短歌から現代短歌へ
1 『池塘集』考──口語短歌の困惑
2 はだかの動詞たち──啄木短歌における動詞の終止形止めの歌について
3 鶴嘴を打つ群を見てゐる──短歌表現におけるテイル形に関する一考察
初出一覧
あとがき
引用短歌索引
人名索引
歌書索引
河野 有時[コウノ アリトキ]
著・文・その他
内容説明
「何を歌うか」「どう歌うか」という問いに、「なぜ歌うか」という問いが浸潤する。近代における短歌と対峙し、短歌における近代の扉を開いた啄木。「近代」と「短歌」をつなぎとめる鎹となった啄木短歌の多様な試みと、啄木と歌との個性的なかかわりを考察し、その歌の果たした役割に迫る。
目次
1 啄木短歌の言葉と表現(手を見るまえに;さばかりの事 ほか)
2 『一握の砂』の詩的時空(ウサギとアヒルと『一握の砂』;石川啄木と非凡なる成功家 ほか)
3 『一握の砂』への道(「曠野」の啄木―啄木短歌と散文詩;明治四十一年秋の紀念 ほか)
4 啄木短歌から現代短歌へ(『池塘集』考―口語短歌の困惑;はだかの動詞たち―啄木短歌における動詞の終止形止めの歌について ほか)
著者等紹介
河野有時[コウノアリトキ]
1968年大阪府生まれ。東北大学文学部卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程国文学専攻単位取得退学。東京都立航空工業高等専門学校を経て、東京都立産業技術高等専門学校教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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