内容説明
日本の宗教界をリードした高僧や僧侶たちはなぜ和歌をうたったのか。貴族が独占した勅撰和歌の外で、民衆の中へ和歌の魅力をかりて宗教の心を伝えた歌は、文化史上でも疎かにできないもの。やさしい解説を付して初めて集成したユニークなアンソロジー。
目次
霊山の釈迦の御前に(行基菩薩)
迦毘羅衛にともに契りし(婆羅門僧正遷那)
三輪川の清き流れに(玄賓僧都)
世の中を何にたとへん(沙弥満誓)
阿耨多羅三藐三菩提の(伝教大師最澄)
忘れても汲みやしつらん(弘法大師空海)
雲しきて降る春雨は(慈覚大師円仁)
蓮葉の濁りに染まぬ(僧正遍昭)
法の舟差してゆく身ぞ(智証大師円珍)
人ごとに今日今日とのみ(僧正聖宝)〔ほか〕
著者等紹介
小池一行[コイケカズユキ]
1942年東京都生。日本大学文理学部国文学科卒業。元宮内庁書陵部図書調査官。現在、日本大学文理学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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