内容説明
優れた歌人を多く輩出した新古今集時代、後鳥羽院に歌才を見出された、蹴鞠の達人と北面の武士。
目次
飛鳥井雅経(み吉野の山の秋風;移りゆく炎に嵐の;影とめし露の宿りを;白雲のいくへの山を ほか)
藤原秀能(夕月夜潮満ちくらし;吹く風の色こそ見えね;あしひきの山路の苔の;風吹けばよそに鳴海の ほか)
著者等紹介
稲葉美樹[イナバミキ]
神奈川県生。明治大学大学院修了。現在、十文字学園女子大学短期大学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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新地学@児童書病発動中
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新古今和歌集を代表する二人の歌人の作品を詳しく解説した本。どちらの歌人も全く知らなかったので、新鮮な感動を覚えた。二人とも清新で瑞々しい作風で、読んでいると言葉のイメージの鮮やかさと響きの美しさに、ただただ圧倒された。言葉というものは、これほど美しい表現が可能なのだと驚いてしまう。昔の日本人の感性の細やかさがひたすら慕わしい。自分の心情を詠んだ歌もあり、そういった作品は自然を詠んだ歌とは異なった味わいがある。真摯に生きた故に感じる心のとまどいが、真っ直ぐに伝わってきた。(続きます)2017/12/25