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内容説明
ドイツ文学研究の第一人者による、文字どおり「決定版」といえる新訳。「精読派」「学究派」にも満足のいくブロックごとの翻訳。
目次
ラインの黄金(Erste Szene;Zweite Szene;Dritte Szene;Vierte Szene)
ヴァルキューレ(Erster Aufzug;Zweiter Aufzug;Dritter Aufzug)
著者等紹介
高辻知義[タカツジトモヨシ]
1937年東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論専攻主任を経て、現在、東京大学名誉教授、九州産業大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
adelita
2
アルベリヒの呪いがかっこよすぎてドイツ語を勉強したくなる。訳もかっこいいんだけどこれは絶対ドイツ語の発音で再生したい。とにかく音声を聞きたくなりました。台詞だけだからさくさくお話が進むし、やたら胸熱です。今だとテレビドラマシリーズみたいな感じかなぁ。このまま続きへ。2017/03/28
えふのらん
1
愛情と憎悪、契約と自由、それぞれを止揚しようとするかのように概念がぶつかり合う。愛を捨て憎悪を指輪に注ぐアルベリヒと妹に愛を見出すジークムント、契約に縛られ神々の黄昏をただ見届けることしかできないヴォータンと彼に反抗し自由意志に則ってジークムントを助けるブリュンヒルデ。二人の追放がやがてジークフリートの自由奔放な性格と運命を生み出すことを思うと、これも止揚の形なのかもしれない。予定調和的なヴォータンの行動といい、それを上書きするようなブリュンヒルデの眠りといい、やはり楽劇には時空を超えた魅力がある。2021/09/21
てる坊
1
原語と日本語の対訳 わかりやすい。デアゴスティニィのDVDとあわせるとオペラも安価に鑑賞できます。1冊2000くらいです、2013/01/20
えふのらん
0
ショー、シェロー以後、バイロイトでは社会派として解釈され続けているが、脚本も思想はもちろん伏線まで練り込んであって面白い。(かといって物語そっちのけで神話的な化粧を施すメトロポリタンを受け入れられるわけではないが)特にヴォータンから逃れたジークリンデが神々の天敵である巨人族の足元へと逃れる展開は、後のジークフリートでの巨人打倒と指環の獲得、指環をめぐる抗争と人間、神々の黄昏までをしっかり支えているのが良い。(これが単に森に逃げ込むといった展開だったならもっと平凡だっただろう)2017/12/25
みずがし
0
面白かった。愛、権力、妬み、契約など深読みができる普遍的なテーマを扱っている。『ワルキューレ』のラストは、ヴォータンとブリュンヒルデがそれぞれ相手を思いやりつつ対立し合わなければならない複雑な気持ちが表現されており、感動してしまった。若さを失ったり、知恵を求めたり、神とはいえ万能ではないからこそ物語が発展していく。後先考えず築城の契約をしたり、指環を強奪したり、ほとんどヴォータンのせいで悲劇が生まれたような気がしないでもない(結果的に神々の世界も破滅)が、人間臭くて良い。お気に入りはローゲ。2017/03/16