内容説明
20世紀初頭のパラダイム転換期の中国知識人と民衆。19世紀末に生まれ、中国民俗学運動に参画した中国知識人、周作人(文学)・顧頡剛(歴史学)・江紹原(宗教学)。それぞれに西洋の学問に通じていた三人の代表的著作や雑誌媒体から、西洋起源の民俗学の中国での発展を整理し、また、かれらにとっての「民衆」の意味を探る。
目次
序章(国民と風俗;先行研究 ほか)
第1章 中国民俗学(ヨーロッパにおける民俗学―二つの系譜;北京大学―歌謡の収集と風俗調査会 ほか)
第2章 周作人―国民文学形成の挫折と、「民衆」への視座の獲得(国民文学と「心声」;『歌謡』での取り組み ほか)
第3章 江紹原―迷信研究(民俗学研究の出発点;「礼部文件」から迷信研究へ ほか)
第4章 顧頡剛―歴史学者の取り組み(民衆文化としての歌謡観;「孟姜女故事」研究 ほか)
著者等紹介
子安加余子[コヤスカヨコ]
和光大学卒業、お茶の水女子大学大学院博士課程修了。博士(人文科学)。福井大学教育地域科学部専任講師を経て、中央大学経済学部准教授。専攻は中国近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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