内容説明
本書は、金沢大学重点研究「東アジア共同体の歴史的基礎と展望:ヨーロッパの経験を踏まえて」(2006年度・2007年度)の共同研究の成果を総括したものである。歴史的事実の検証と現状分析を行った第1部と歴史認識にかかわる問題を扱った第2部から構成され、それぞれの最終章において比較としてヨーロッパについて論じられている。
目次
第1部 過去と現在(中国「共同体」論と「東アジア共同体」;清代光緒年間の東三省練軍整備計画とその背景―1880年代前半における朝鮮問題との関わりを中心に;なぜ食べるものがないのか―汪精衛政権下中国における食糧事情;日韓労働力移動の史的変遷と現代の在日外国人;東アジア経済統合の現状と課題;ヨーロッパ統合の初期局面とイタリアの統合政策)
第2部 相互理解への道のり(東アジアにおける未来志向の歴史認識形成の意義;中韓高句麗歴史論争のゆくえ;「忘れ去られた舞姫」〓(はい)龜子の足跡をたどる―帝国日本と植民地朝鮮の大衆演芸文化「交流」史の一事例
「日本ファシズム」認識の混沌相と克服の方向―東アジア共同体構築のための歴史認識の共有と関連して
朝鮮総督府の古蹟調査事業と朝鮮考古遺物―在日朝鮮文化財返還問題と関連して
二つの顔を持つ国―第二次世界大戦後オーストリアの歴史認識とユダヤ人犠牲者補償問題)
著者等紹介
弁納才一[ベンノウサイイチ]
1959年生まれ。金沢大学経済学部教授
鶴園裕[ツルゾノユタカ]
1950年生まれ。金沢大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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