内容説明
超高密度化する現代都市に対向しうる都市計画論。70年代、日本から世界に輸出した初めての都市計画論と評される『メタボリズム』を社会との関係性から新たに捉え直し、都市や経済、政治的な文脈の中に位置づける。価値観の転換に迫られている今こそ、再発見すべき都市計画論。
目次
日本:美学化と近代国家の間で
日本のアルターエゴの系譜
世界史の建築
焦土の中から
広島:グラウンド・ゼロ上の伊勢
継続と刷新
静かな離陸:ユートピアからは遠く
新しい生活圏に向けて
「1960」
メタボリズムの都市モデル
空中都市
「計画」と「空間」
生活と環境のメタボリズム:都市の組織
価値と反価値
メタボリズム・ネクサスと国土計画への意図
社会の着地と脱国家=民族化(ネーション)
情報・空間・象徴:アーバン・デザインの方へ
政治と祝祭
ポスト・メタボリズム
著者等紹介
八束はじめ[ヤツカハジメ]
建築家・建築批評家。芝浦工業大学工学部建築工学科教授。建築作品に、「白石情報センター」「砥用文化交流センター」「文教大学ビル」など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
15-76 丸山真男!★日本人のメンタリティ及びそれに立脚する哲学?は主体の自覚的な時限を欠いており、つくられる!というよりは自ずとなるような類のものだっっつまり外部の影響力(外国)に対して、かつての中国及び朝鮮、近代における西欧のそれには融通無碍であったというわけである。∴日本には「無意識」がない。としたジャック・ラカンの命題のほぼ完全な言い換えっ 70年代、日本から世界に輸出した初めての都市計画論と評される「メタボリズム」を、社会との関係性から新たに捉え直し、都市や経済、政治的な文脈の中に位置づける。2011/10/17
Bungorai
0
都市計画や建物のデザインにとどまらない思想展開が魅力。
森翔太
0
再読完。ちょっと読む必要があったから読んだけど、個人的には八束さんの文章自体は読みづらいな。話自体は面白いから戦前・戦後を抜けて丹下健三の東京計画1960あたりから面白くなってやめられなくなる。2012/11/10
Takaya Fukuchi
0
正直60年代のメタボリストやスーパースタジオの都市計画は好きになれなかったけど、都市に対する大きなビジョンを持っている点からは学ぶべき事が多いと思う。恐らく現代社会に欠けている重要な要素。2018/11/06