内容説明
混迷する社会に生を模索する若者たち―それぞれの「現場」から見える実像とは?作られる「若者」像に抗し、若き研究者・実践者たちの手で編まれた画期的論集。
目次
1 若者を取り巻く社会状況(若者に見る現実/若者が見る現実;日本特殊性論の二重の遺産―正社員志向と雇用流動化のジレンマ)
2 若者と労働(コンビニエンスストア―便利なシステムを下支えする擬似自営業者たち;ケアワーク―ケアの仕事に「気づき」は必要か?;進路選択と支援―学校存立構造の現在と教育のアカウンタビリティ;就職活動―新卒採用・就職活動のもつシステム)
3 若者の生活世界(ストリートダンスと地元つながり―若者はなぜストリートにいるのか;過食症―「がんばらなくていい」ということ、「がんばらなければ治らない」ということ;援助交際―「援助交際」体験者のナラティヴ;若年ホームレス―「意欲の貧困」が提起する問い)
著者等紹介
本田由紀[ホンダユキ]
東京大学大学院教育学研究科准教授(教育社会学)。1994年、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)。日本労働研究機構研究員、東京大学社会科学研究所助教授を経て現職。2007年『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版)で第6回大佛次郎論壇賞(奨励賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
23
フレキシブルな労働力が求められるようになり、若者のあるべき姿は大きく変わった。彼・彼女が求めたわけではなく、資本の側が求めたものである。若者たちがどのような生活をしているのか、丁寧な研究がされている。若者一人ひとりが輝けるような社会からは遠ざかっているのが現実だからこそ、若者とは何かを問う必要があるだろう。2020/09/14
とよぽん
3
読み終わって感じたのは、「学校と社会がうまくつながっていない」ということ。正規雇用ではない働き方を余儀なくされる若者がどんどん増えて、それに比例して貧困(どのような状況を貧困とみなすのか、多少曖昧であるが)に陥る若者も増えている。終盤には、「意欲の貧困」、「貧困の隠蔽」、「日本型福祉の機能不全」といった言葉が出てくる。この、現代社会への問題提起をぎっしりとはらんだ本書を、編者の社会学者である本田由紀さんがどんな思いで世に送り出したか、問題解決(改善)には何が必要なのか、重い現実を突きつけられた。2015/05/24
tk
0
そこまで新しい視点は得られなかった。2011/12/17
AiTaka_twi
0
★★★★☆2010/02/17
メルセ・ひすい
0
9. 16 ★5 現代の若者論として日本という息のつまる社会とは・企業とは CNS.650/1hr位で、300hrs.以上/月 ニ交代 昼と夜 中国では当たり前だが・・・ 混迷する社会に生を模索する若者たち、それぞれの「現場」から見える実像とは? 若き研究者たちが、理論と実証から同世代の若者の現実と日本社会の矛盾を鋭く問う画期的論集。2007/07/24