出版社内容情報
大反響のNHK・ETV特集を再構成、大幅補充
異質の破局が同時進行するいまだかつてない時代。
いま真に取りもどすべきものは、はたして経済の繁栄なのか?
人間とはなにか、人間とはどうあるべきかを根源から思索する。
2004年、辺見さんは脳出血に倒れ、生死の境をさまよった。その後はがんで長期入院するも病室で執筆をつづけ、新刊6冊をあいついで刊行、新聞連載もかかえるなど創作意欲は依然旺盛である。
辺見さんは言う。「自分の持ち時間が、予定よりずいぶん減っちゃっている。終わりが近くなるとね、不思議なもので、目が妙にさえてきて、なんとしても表現したくなるんだよ。」
そんな作家が、いまじっと見つめているのは、世界規模の金融危機を端に発した大恐慌の実相である。
現在進みつつある”破局”は、経済だけのものではないと指摘し、新型インフルエンザや気候変動、地震など、日常の継続性を脅かす異質の危機が同時進行し、それらとともにこれまで自明とされてきた価値観や道義、人間の内面性も崩壊しつつあるのではないか…と述べる。…(中略)…
「奈落の底で人智はどう光るのか、光らないのか、それが早晩試されるだろう」と語る作家。かつてない破局が忍びよる今、私たちはどう生きるべきなのか。人間とは何か。人間どはどうあるべきか。辺見さんが紡ぎだす、深く研ぎ澄まされたことばに、耳を傾ける。
2/1放送「作家・辺見庸 しのびよる破局のなかで」(NHK・ETV特集のHPより抜粋)
内容説明
大反響のNHK・ETV特集を再構成、大幅補充。金融恐慌、地球温暖化、新型インフルエンザ、そして人間の内面崩壊―。異質の破局が同時進行するいまだかつてない時代に、私たちはどう生きるべきか。「予兆」としての秋葉原事件から思索をはじめる。
目次
第1章 破局の同時進行
第2章 生体反応としての秋葉原事件
第3章 価値が顛倒した世界
第4章 無意識の荒み
第5章 人智は光るのか
第6章 “不都合なもの”へのまなざし
断想 破局のなかの“光明”について―あとがきのかわりに
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
1944年生まれ。91年、『自動起床装置』(文藝春秋、文春文庫、新風舎文庫)で芥川賞、94年、『もの食う人びと』(共同通信社、角川文庫)で講談社ノンフィクション賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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