怠けてなんかない!―ディスレクシア 読む・書く・記憶するのが困難なLDの子どもたち

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  • サイズ B6判/ページ数 247,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784265801268
  • NDC分類 378
  • Cコード C0037

出版社内容情報

知能に問題がないのに読み書きができない「ディスレクシア」(読み書き、記憶が困難)という障害。親や教師はどう対応すべきか。その症例と具体的な方法を紹介。    一般向け

内容説明

知的能力には問題がなく視覚・聴覚機能もOK。それなのに生まれつき、読んだり書いたりすることが難しい…そう、彼らが抱えているしんどさが「読み書きのLD」つまり「ディスレクシア(読み書き困難)」の症状なのです。学校では「能力があるのにできないのは怠けているから」と責められます。親も「やればできる」と本人を追い立てますが、そのうち「これだけやってもできないのは育て方を間違えたから」と自らを責めてしまう。何より当の本人が「努力が足りないから自分は読み書きができないのだ」と思い込み、やがて成果が出ないことに傷つき「何をやってもダメなヤツなんだ」と苦悩する…。本書で紹介するディスレクシアの人・親御さんたちは、長い長い間、暗く深い森をさまよいました。でも、諦めなかった。何度挫折しても、出口は必ずあると自らを奮い立たせてきて…そして見つけたんです。生命がきらめく生き方を。

目次

第1章 ボクはどうして勉強ができないの?―さまよい続けた暗い森の中で、本人たちが見つけたひとすじの光(小学3年生でディスレクシアとわかるが、だれも効果的な指導方法を知らない。二次障害に苦しんだ末、退学。曲作りに新しい日々を賭ける;ディスレクシアでよかった。そのおかげで不登校になり、不登校のおかげでパソコンを知り、自分の進む道が見つかった ほか)
第2章 読めない書けないは育て方が悪かったせい?―子どもの可能性を見つけるまで続く親の葛藤(目も見えるし、耳も聞こえるのに、読み書きができない。育て方、家庭環境のせいと言われ、死を思った日々;読み書きが上達しない息子に悩む母と特訓する父。胃けいれんと下痢に苦しんだ息子は中1でアメリカ留学を決意 ほか)
第3章 ディスレクシアに対する現場の対応―現状で子どもたちを支援できる方法(専門機関にできること『大阪医科大学LDセンター』;民間機関にできること『神戸YMCA』 ほか)
第4章 そもそもディスレクシアってなに?きちんと理解しておきたいディスレクシア(ディスレクシアについて聞きたいことなんでもQ&A;アメリカのディスレクシア教育事情)

著者等紹介

品川裕香[シナガワユカ]
1964年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。出版社に12年間勤務したのちに特立。日本子どもの虐待防止研究会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さおり

49
図書館本。2003年に出版された本。14年経って、事態は好転しているのかしら?ディスレクシアと診断されるまでの苦悩、それは凄まじいものがあるが、診断されたからって直ちにうまくいくわけではないんですよね。私に、何ができるのか。何もしないわけにはいかないよね。「事情を知ってしまった以上、もはや知らなかったことにはできないでしょう?」とは、筆者の言葉。2017/09/13

ぐっち

26
前半はフリガナつきで、後半は親の立場からの話。当事者たちの気持ちや状況を丁寧に聞き取った良本。ディスクレシアと診断されても学校での配慮は得にくく、結局不登校や退学などになりがちなのが悲しい。先生たちが理解ない、と思ったら出版年が2003年。今は少しマシ?うちの高校生が問題文を読んだり、項目を探したりするのが遅いので手に取ってみたが、最初のさかさまやぐるぐる文字を本人がのぞき込んで「こんな風に見えるんだ~」と驚いていたし、特徴的なふにゃふにゃ文字も書かないので違うかな。続編も出ているようなので読んでみたい。2020/02/17

Akihiro Nishio

21
先日、横書きの字は読めるが、縦書きは2枚の下敷きで1行だけ見えるようにすればなんとか数行は読めるという学生が相談に来た。これはディスクレシアだろうと、1週間待ってもらい慌てて本書を読んだ。病名は知っていても、会ったことがないので何も知らなかったが、大まかなイメージと、次に何をするべきかがわかった。ありふれた感想だが、本当に色んな人がいるんだなぁと思った。2016/04/13

梅ちゃん

16
2018.05.17 この本は2003年に出版されている。15年も前だ。でも、私がディスレクシアということを聞いたのはほんの少し前だ。この本に登場するディスレクシアの方達は、タイトル通り、怠けてなんかいなくって、周りの子供達よりずっと努力している。漢字を覚えるために何百回も書いたり、読めない教科書を丸暗記したり。保護者が相談に行く学校先生は、高慢であったり、無知であったりする。私も全く知らなかったのだから、無知の人々の仲間やなぁ。この十数年で、理解は深まっているんだろうか。2018/05/17

ばなな

8
テレビで見て初めてこの病気を知った。もしも自分の子供だったら努力が足りない、さっき教えたよね、どうして分からないのと攻めていたかもしれない。また、同学年でディスレクシアの子供がいた場合でもなんか変な奴?と思うだろう。まだまだ、日本は認識に不足している。なにせ、このディスレクシアの教育地域は、東北、北陸、四国、山陰、九州には無い。つまり認識も薄い。もっと理解を深め取組必要がある。でも、ディスレクシアの理解者は1名増えたことになる。けれど私は、真直ぐに目を向けれるか?が気になる。2014/12/18

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