命があぶない医療があぶない

命があぶない医療があぶない

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  • サイズ A5判/ページ数 306p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784263232552
  • NDC分類 498.04
  • Cコード C0047

出版社内容情報

《内容》 この国の医療の<カタチ>を問う!やさしさと尊厳をテーマとして医療現場で活躍している著者が,指標としてきた地域医療の先達である「若月俊一・早川一光・増田進」の3先生をたずねて,自らの道を確認・実現する過程を生き生きと展開.明日の医療はどう進むべきかを,わかりやすく展望している.    《目次》 【プロローグ】 同級生からの二六年ぶりの手紙 【鎌田 實の思い】 お前のお陰でいい人生だった-音楽のある死/生き方を選ぶ 死に方を選ぶ/告知は誰のために/壁のないホスピス/~にもかかわらず/ありのままを見る 見えないものをみる/情報公開されなかった悲劇/医療と暴力/もっと,もっと生きていてほしかった/支える 交わる 医療が変わる/地域医療と幸せの記憶/国境なき田舎医者-チェルノブイリの涙 【鎌田 實の仕事 諏訪中央病院の地域医療】 ぼくたちの病院は八ヶ岳の麓にある/患者さんを断らない医療/出ていく医療/地域の医療費が安い「魔法の病院」/地域産業を支える地域医療/複合体解体のすすめ/医療が福祉を取り込まない/住民と一緒に歩む健康づくり/国際医療協力と災害医療協力/患者さん本位のあったかな医療/四人の師 【地域医療のパイオニアをたずねて ●VS若月俊一 「ヴ・ナロード」を求め続けて】 「ヴ・ナロード」の精神がなければ本当の地域の医者にはなれない/マルクス主義には多くを学んだが,人間はイデオロギーだけでは理解できない/農民は医者にかかろうとしないから,地域と医療の民主化が最優先の課題だった/お金がなければ医者にかかれない住民 人間関係を紡いで民主化をはかる/地域とは人間的なつながり 宮沢賢治の影響で村の演劇をはじめる/病院を皆に解放する「病院祭」 医療者が演じるということ/地域は単なるイメージではない 地域の向こうに一人ひとりの生活と暮らしがある/日本には本当の意味のコミュニティがない/第一線の診療所の真剣な仕事を 地域の病院が支える/地域の実情をつかみながら 弱いものを守り助け合う地域医療のセンチメント/住民の民主化ができなければ 医療の民主化はできない/人間を信じたい 人間の歴史を信じたい 【● VS早川一光 地域医療の青い鳥を探して】 戦後の嵐のなかで わらじ医者は立ち上がる/「困っている人は皆一緒や」という連帯感から 医療の民主化運動がはじまった/京都市議会活動――小児麻痺ワクチンの緊急輸入が実現した/住民に動かされた医師の実践をみて 住民も動きはじめる/先生と呼ばれるうちはダメ 「早川はん」は愛と友情とユーモアの距離関係/ドブ板を踏んで路地の中に入っていくと 地域の生活,健康問題がみえてくる/患者さんが来られないなら医者が出かける 出っ張り医療は「行くよ」の姿勢/共に苦しみ,喜び,泣けば 涙は自然に落ちてくる/「みる」は心の行為 医療は住民が主人公のシンフォニー/住民の参加,自助,自決を保障して 医療を住民自身に返す病院/住民のニードに合わせた経営があれば 病院は外からの力ではつぶれない/人と人との「間」を上手に保てば 一人でいていいが一人だけにならない関係ができる/訪問看護とはその人の歴史・現状・方向を知った 切れ目のない「円の看護」/新しい美山の診療所は公設民営 民である住民の主体性に期待する 【●VS増田 進 ゾーンディフェンスで住民の健康を守る】 沢内村の保健医療の歴史は 保健婦活動からはじまった/家のなかで脳卒中が多発するならと「住宅改善コンクール」をはじめた/社会福祉は弱い人から 老人医療費無料化で村が明るくなった/地域を丸ごと健康にするために 地域医療はゾーンディフェンスである/すべての年代が参加しやすい 健康づくりをはじめる/健康管理を人間管理にしないために 対話を切ってはいけない/村民サービスのための医療費無料化が 稼ぎやすい病院環境をつくってしまった/健康相談室や健康台帳を必要としなくなったとき 村にあるただの病院になった/救急の受け入れも往診も 住民の健康教育と同時に医師の教育/地域医療は首長の考え方次第 「国が住民を守らないならば村が守る」の気概/地域の病院の目的は その地域のために働くことにあるのだが/医者を教育するのは患者さん 医者の都合が先行すれば医療はおかしくなる/地域医療は民主主義の医療 素人の意見が医療のあり方を決める/地域の医者は「七人の侍」 村の歴史の流れに従えばいい 【二一世紀の<命>と<医療>のために】 ロシア的なるものをめぐって/<開かれた病院>の条件/瀕死の医療を救う道/支えつつ 支えられつつ/健康幻想を超えて/二人の格闘技家の「生」の選択/穏やかな医療/<キレる医療>から<つながる医療>へ/医学教育再編論/医療における自由と平等 【エピローグ】 同級生N君への手紙 深い協働の意思にもとづいた地域づくり――あとがきにかえて

内容説明

なぜ、この国の医療はこんな“カタチ”になってしまったのか。どうしてゆとりがなくなってしまったのか。平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞の鎌田実が緊急出版。

目次

プロローグ 同級生からの二六年ぶりの手紙
第1章 鎌田実の思い
第2章 鎌田実の仕事
第3章 諏訪中央病院の地域医療
第4章 地域医療のパイオニアをたずねて
第5章 二一世紀の「命」と「医療」のために
エピローグ 同級生N君への手紙

著者等紹介

鎌田実[カマタミノル]
1948年東京に生まれる。1974年東京医科歯科大学医学部卒業。1974年諏訪中央病院勤務。1989年諏訪中央病院院長。1990年長野県ボランティア活動推進委員会委員長。1991年厚生省在宅医療支援システム主任研究員。1999年平和・共同ジャーナリスト基金奨励賞受賞。現在諏訪中央病院院長、諏訪看護専門学校校長、東京医科歯科大学臨床助教授。編著書に『風よ吹け―在宅介護信州からのメッセージ』(銀河書房)、『医療がやさしいをとりもどすとき―地域と生きる諏訪中央病院の実践』(医歯薬出版)、『ホスピス―最期の輝きのために』(オフィス・エム)『成熟した死の選択 インフォームドチョイス』(医歯薬出版)、『かんばらない』(修英社)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。