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出版社内容情報
ああいうか、こういうか、それが問題だ!
「20%効果がある」「80%効果がない」──言い方によって患者の判断が変わる? 立って話すか、座って話すかで、与える印象が変わる? 臨床で出合うちょっと不思議な現象や、どうにもうまくいかない場面。その背景にあるのは、人間の心の特性や、個々人が培ってきた価値観の違いかもしれない。緩和ケアだけでなく、心理学、行動経済学の領域で蓄積されたエビデンスが、臨床での困りごとを解決するヒントを与えてくれる!
【目次】
はじめに
1章 ああいう vs. こういう の裏には理論あり
01 「薬を使ったら寿命が縮まるかもしれません」 vs. 「縮まったとしてもとても少しです」
02 「薬を使っても寿命は縮まらないんです」 vs. 「例えばこういうこともあってですね…」
03 「80%無効です」 vs. 「20%有効です」
04 前提なしで話し合う vs. 話し合う前に想定される予後を見積もる
05 「○○になった時のことを相談しておきましょう」 vs. 「なったらなった時にまたお聞きします」
2章 患者の死に備える おどかさず心構えも促すには?
01 「いつ何が起こるかわかりません」 vs. 「だいたいこういう変化が起きてきます」
02 立ち会うこと vs. お話ししておけること
03 死が数日以内に迫っているとはっきり言葉にする vs. はっきりとは言わないが一緒に何かする
04 「決めてください」 vs. 「…してあげたほうがいいと思います」
3章 希望を支える 何かできることを付け加える
01 「できることはありません」 vs. 「ありませんが,○○をがんばります」
02 「もう治療はできません」 vs. 「元気になったらまた治療は再開できます」
03 (代替療法は)「効かないと思います」 vs. 「効くかどうかは別としてちょっと教えてください」
04 緩和ケア vs. ホスピス vs. サポーティブケア
4章 症状緩和にいかす ああいう vs. こういう
01 「鎮痛薬飲むと痛みが減りますよ」 vs. 「薬あんまり気がすすまないなら頓服だけでもいいですよ」
02 「点滴すると苦しくなりますよ」 vs. 「何かしてあげたいことがあったんですね」
03 「飲むと吐き気が出るかもしれません」 vs. 「吐き気はちょっとある人もいますが,まず出ませんねぇ」
5章 日頃の立ち居振る舞いの ああする vs. こうする
01 立っている vs. 座っている(座りすぎもよくないか?)
02 スマホで死亡確認 vs. 時計で死亡確認
6章 予後に関するコミュニケーション 「わからない」はとにかくよくない
01 「わかりません」 vs. 「わかりませんけど,どうしてそう思われるのか,わけを教えてくださいますか」
02 「○○くらいです」 vs. 「○○くらいですけど,△~△という幅があります」
03 はっきり言う vs. 言わない
長めのColumn
・スキルはなくても相手をわかろうとする気持ちがあればそれでいい
・コミュニケーションにおける「実感」の役割──気持ちがついてくることの大事さ
・「へぇ⤴どうして?」はどうして魔法の言葉になりうるのか
・文化の話──自己決定と以心伝心
Column
・「みんな飲んでいるのじゃなくて,新薬ありませんか?」
・ビジネス傾聴
・「○○は信用できるやつだ」「△△さんにはかないません」「来てくれるとモルヒネの1,000倍効く」
・「性格,性格」
・フレンチに行って「おいしくないな~」と思ってても,最後にシェフが出てきて「どうでしたか」って聞かれたら…
・リアルな指示がくる
・「おやじが怖い,おやじはがん性髄膜炎より怖い」
・「痛みどうですか?」──「痛み止め飲むと,拷問のようです」
・不条理
・「ちゃんとした返事が返ってくるってことはね,ちゃんと聞いてもらってるってことですからね」
・「せめて小枝になってほしい。藁だとつかんでも浮かべないから」
・「怒ってる時はね,返事をしないといいのよ」
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感想・レビュー
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Tatsuya Michibata
まつ×まつ
蒼紫
とむ
pmdky