内容説明
急性期からクロニックへ、キュアからケアへと、保健医療の枠組みが大きくシフトしている。3大死因の癌、脳卒中、心臓病をとっても、診断・治療というこれまでの枠組みではまかないきれない。糖尿病をはじめ生活習慣病という観点も注目されている。根治せずに病気を抱えて推移するという時間軸と、対人関係や社会的資源など生活レベルでのひろがりを見据えた新たなパラダイムが求められている。本書はクロニックイルネスという切り口から保健医療の全体像を示し、人と病いの新たなかかわりを問い、今日的な課題と取り組みへの展望を与える。
目次
第1部 クロニックイルネスの衝撃(慢性性とは;病者役割;スティグマ;慢性の痛み;社会的孤立;身体可動性の変化と消耗性疲労)
第2部 クライエントと家族にとってのクロニックイルネス(クオリティ・オブ・ライフ(QOL)
コンプライアンス
家族介護者
ボディイメージ
セクシュアリティ
無力感)
第3部 保健医療職者にとってのクロニックイルネス(チェンジエージェント(変化を促す人)
クライエントと家族の健康教育
アドボカシイ
クロニックイルネスに関する研究
クロニックイルネスにおける倫理的課題
看護師によるケースマネジメント
クロニックイルネスと上級看護師)
第4部 クロニックイルネスと社会システム(財政的インパクト;政治と政策;在宅ケア;長期ケア;リハビリテーション)
著者等紹介
黒江ゆり子[クロエユリコ]
岐阜県立看護大学大学院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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