内容説明
司馬さんが初めて書いた教科書を通して交わされた心の交流記録。司馬遼太郎氏からの心温まる手紙に励まされ取り組んだ小学校教諭の感動的な授業の記録。
目次
１章 『二十一世紀に生きる君たちへ』との出会い
２章 司馬先生が描いた美しい生涯
３章 励ましてくださった司馬先生
４章 最後の授業
５章 こどもはオトナの父
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロマンチッカーnao
22
『洪庵のたいまつ』『二十一世紀に生きる君たちへ』という、大変短い文章だけれど、司馬さんの代表作と言ってもいい2作品。この2作品を小学校の授業で行い、その模様と、授業を受けた小学生の感想文を掲載しています。そして、その感想文を司馬さんに送り、それに返書として司馬さんが手紙が葉書きを書いています。それも掲載されているのですが、それがすばらしい。。 『もっとも、心にコドモがいない大人がたくさんいますが、それはもう、話すに値しない人間のヒモノですね。』グッとくる言葉でした。2015/10/13
ロマンチッカーnao
17
再読。あまりというかほとんどというか、知られていない本。でも、これは読んで損は絶対にない本。定年をあと５年に控えた先生が、司馬さんの『２１世紀にいきる君たちへ』と『洪庵の松明』の授業を行った記録。教科書にのっていなにので、その授業時間をどう作るのか。管理職は認めて食っるのか。PTAには同説明するのか。そして、最も大事な子どもたちにどう教えるのか。それらはすべて成功し、子どもたちの感想文が感動を呼びます。そして、その感想文を司馬さんに送ったら、司馬さんから返事の手紙が届く。その一連が感動的です。2020/10/29
mura_海竜
13
壬生義士伝に続き、不覚にも目頭が熱くなった。子ども向けに司馬遼太郎が書いた「洪庵のたいまつ」「二十一世紀に生きる君たちへ」を教材に、東京都教員の神山育子さんが定年までの5年間児童に授業を行った。児童の読書感想文を司馬先生へ送り返信をいただくやり取り。神山先生の学級の目標、常に①「努力」②「思いやり」③「正しい判断力」に通ずる教材、それが司馬先生の２つの作品には十分含まれている。「こどもはオトナの父」、常にこども心を持って生きていこう。「自分に厳しく、相手にはやさしく」も大切なメッセージ。→2012/09/02
こうさん
1
「二十一世紀に生きる君たちへ」も「洪庵のたいまつ」も現代に生きる全ての人へのメッセージなのだ。こどもたちの文章は、今を生きる我々、私へのいましめだ。素直な心を忘れ、司馬さんの教えを実践できていない今の自分への。2022/05/11
