羽生 21世紀の将棋

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羽生 21世紀の将棋

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  • サイズ B6判/ページ数 194p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784255970141
  • NDC分類 796
  • Cコード C0095

内容説明

人は将棋を指しているのではなく、将棋に指されている。羽生善治のいきついた将棋観を大胆に読み解く、芥川賞作家の画期的「羽生」論。

目次

第1章 棋士と個性―棋風を超えるものは何か
第2章 最善手―羽生は「最善手」の概念を逆転させた
第3章 対局中の心理―対局中羽生は何と闘っているのか
第4章 読むこと―読みは盤上の意味の形成である
第5章 局面の複雑化―「将棋の結論」への指し方とは
第6章 コンピュータ観―21世紀の「人間に残された将棋」とは

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akihiko810/アカウント移行中

12
作家の保坂和志が、羽生将棋の神髄を考察。97年の羽生が最強だった頃の本。印象度B+  羽生には「棋風」(スタイル)がない。攻めが最善手の時は攻めるし、守りが最善手の時は守り、要は攻めも守りも強く、自身だけでなく相手の最善手を探り読む将棋だ。 羽生の戦術の具体例として、「相手の遊び駒を取りに行く」「駒の利きを増やす手を指す」という具体例(対局)があげられている。特に「遊び駒を取りに行く」手は、普通なら損になる手で強い人なら切り捨てる手なのだが、羽生の大局観では違うのだ。相手の死んでる飛車を取りに行く手なんて2021/03/12

きょちょ

10
私は将棋はルールしか知らない。作者を良く知る友人が、「保坂の中では一番」とのことで読んでみた。この本は、羽生善治の人間性ではなく、あくまで「羽生の将棋」「羽生の将棋感」を論じている。強い棋士は普通、棋風や個性・スタイルがあるが、羽生はそういったことを受け入れず(勝つ可能性を狭めるものと考えている)あくまで「最善手」のみを追求する。しかも、「今の時点での最善手」ではなく、「初手からの流れからの最善手」を追求するというところが興味深い。でも、人生は常に最善手を考えることは難しいし、その必要はないだろう。★★★2015/09/07

OjohmbonX

2
書名の「羽生」は、羽生善治という人の名前ではなく、その上に現れた思考の様態や運動、システムに付けられた名前のことなんだ。だから生立ちや性格、趣味嗜好には言及されない。しかもその「羽生」は「あった」ものではなく保坂和志が「見出した」ものだ。実際例えば棋風についてはほとんど保坂が小説の文体を語るのと変わりがない。あるいは羽生は将棋の可能性を広げる方向で指すという指摘も、最も豊かに羽生を読もうという本書の姿勢自体とパラレルだ。要するに保坂和志の読み方そのものが出てるってことだけど、結局そうでなくては面白くない。2014/05/31

山一工房

1
保坂和志の小説は合わないけど、それ以外の例えばこういう本は凄く面白い。2009/11/20

バチスカーフ

1
保坂さんの本は、一筋縄ではいかない。2007/06/19

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