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暇と退屈の倫理学

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  • サイズ B6判/ページ数 362,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784255006130
  • NDC分類 113
  • Cコード C0095

出版社内容情報

朝日新聞やニューヨークタイムズのインタビューで注目を浴びる気鋭のスピノザ研究者が、「3.11以降の生き方」を問う。潑剌と、明るく、根拠をもって「よりよい社会」を目指す論客のデビュー。

何をしてもいいのに、何もすることがない。だから、没頭したい、打ち込みたい……。でも、ほんとうに大切なのは、自分らしく、自分だけの生き方のルールを見つけること。

──[序章「好きなこと」とは何か?より抜粋]
資本主義の全面展開によって、少なくとも先進国の人々は裕福になった。そして暇を得た。だが、暇を得た人々は、その暇をどう使ってよいのか分からない。[…] 我々は暇のなかでいかに生きるべきか、退屈とどう向き合うべきか。 


[目次]
まえがき
序章
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
結論
あとがき



[著者紹介]
國分功一郎(こくぶん・こういちろう)
一九七四年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。高崎経済大学経済学部准教授。専攻は哲学。著書に『スピノ ザの方法』(みすず書房)、訳書に、デリダ『マルクスと息子たち』 (岩波書店)、コールブルック『ジル・ドゥルーズ』(青土社)、ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)、共訳として、デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(岩波書店)、フーコー『フーコー・コレクション4』(ちくま学芸文庫)、ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』(みすず書房)がある。
ブログ:http://ameblo.jp/philosophysells/
ツイッター:http://twitter.com/lethal_notion

目次

序章 「好きなこと」とは何か?
第1章 暇と退屈の原理論―ウサギ狩りに行く人は本当は何が欲しいのか?
第2章 暇と退屈の系譜学―人間はいつから退屈しているのか?
第3章 暇と退屈の経済史―なぜ“ひまじん”が尊敬されてきたのか?
第4章 暇と退屈の疎外論―贅沢とは何か?
第5章 暇と退屈の哲学―そもそも退屈とは何か?
第6章 暇と退屈の人間学―トカゲの世界をのぞくことは可能か?
第7章 暇と退屈の倫理学―決断することは人間の証しか?

著者等紹介

國分功一郎[コクブンコウイチロウ]
1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。高崎経済大学経済学部准教授。専攻は哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

146
「暇」と「退屈」の違いは分かりますか?本書によれば、「暇」とは何もすることがない。する必要がない時間を指している。つまり、暇は客観的な条件に関わっています。それに対して、「退屈」とは何かをしたいのにできないという感情や気分を指している。つまり、退屈は主観的な状態のことだそうです。著者は哲学者です。文中には過去の大哲学者の引用も多いのですが、否定も多い。そしてとても分かりやすく書かれています。哲学者らしく最終回答の「退屈」とどう向き合って生きていくか?の回答と先の思考にまで言及し、考えるように促しています。2023/04/27

mukimi

103
多くの哲学者の思想を引用し作者なりの答えまで導かれる。作者の答えは退屈する現代人に優しい。自分のことかとぎくりとした「労働するのは生き甲斐という観念を消費するため」との思想を残したガルブレイスに対しはっきりNOを突きつける作者。なんとなく退屈だの声から逃れるために日々の仕事の奴隷になってもまた退屈がやってくるという言及も刺さったが、思考そのものが「没入する準備をしながら待つ」ことであり退屈への答えなのだと解釈した。哲学は人を「まあいっか」から遠ざけるものであり哲学こそ退屈のブレイクスルーなのかもしれない。2023/03/31

コットン

80
倫理学や哲学という分野で暇と退屈を論じるのは初め変わっていると感じたがなかなか奥深いなあと感じた。拾い読みではあるがハイデッガーの①何かによって退屈させられること②何かに際して退屈すること③なんとなく退屈だ。という第一形式〜第3形式の説明が気になった。2022/08/15

zirou1984

38
再読。1章の原理論こそやや粗雑さを感じたが、以降は総じて面白い。難解な用語を使うことなく身近な感覚を題材とし、それを多様な視点から分析しつつ問いの内容を深めていく。本書では暇と退屈の原因を人間の環境に対する高度な適応能力に由来するものとして結論を出しているが、それ自体はさして重要なことではない。スピノザやマルクス、ハイデガーといった哲学者のみならず経済学や生物学からも援用しつつ、そこにあるのはあくまで「問い続けること」そのものの面白さだ。思考を生成し、生活を変化させていく―それこそが哲学の実践なのである。2016/05/08

hippos

29
ぼんやりと定年後のことが不安で手に取ったのだけれど、そんなに単純な本ではなかった。もっともっと深く「暇と退屈」について考察した本。 暇と退屈は、定年後だろうが現役だろうが関係ない。今、忙しい(フリしている)のも実は退屈しているからかもしれないと指摘されて、これは暇つぶしなんだとかえって気持ちが楽になった。もう一度読みます。2022/05/04

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