内容説明
ロレンス文学の初期問題作『越境者』!激動の20世紀初頭、文化/言語/性などの「ボーダー」を意識化したロレンス初期の問題作を「越境」の視点から照射。国内外の諸文献を網羅・紹介。
目次
1 男と女の生の位相(「男の自立」物語の原型としての『越境者』―シーグマンドからアロンへ;『越境者』に描かれたスピンスター―エドワード朝における「新しい女」と社会背景)
2 生と死と愛の実相(往還者シーグマンド―その生と死;トリスタンとシーグマンド―アガペからエロスへの「越境」 ほか)
3 規範からの移相(大自然への越境―『越境者』を「エコ・コンシャス」に読む;『越境者』における「移動」 ほか)
4 『越境者』の成立と批評の様相(フィクションと現実の距離―『越境者』と『中間地帯』;英米における『越境者』の批評の流れ)
あとがきに代えて―『侵入者』から『越境者』へ