発言―米同時多発テロと23人の思想家たち

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発言―米同時多発テロと23人の思想家たち

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  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784255001418
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

【出版社からのメッセージ】
「米同時多発テロ」から4か月あまりが過ぎました。アフガニスタンにも暫定政権が樹立され、復興のための模索が始まっています。事件の意味や課題は、もはや問われることなく、過去の出来事として処理され始めているようです。しかし、昨年9月の事件がつきつけたものを、私たちはよく把握しえたでしょうか? とてもそうとは思えません。あのときの<呆然自失>を忘れようとしても無理というものです。これまでの日本国内の論調は、ブッシュ・アメリカ大統領の「味方でない者は敵だ」という発言に顕著な<古典的な政治の論理>に捕らわれたものが主流です。敵になりたくないからアメリカに同調する、という立場。他方「報復は不毛」「戦争が答えではない」といった<古典的な反戦>の議論も多く見受けられます。どちらにしても、今回の事件が引き起こした大きな課題に、有効で展望を開く議論だとは思えません。本書はそうした論調に一石を投じるものです。一連の出来事によって大きく揺さぶられた国家の正統性や機能を点検すること、「北」と「南」の格差と対立をどう緩和するか、環境や経済など国境を越えた問題にいかに取り組むか、近代化と宗教の関係やグローバリズムの趨勢をどう見極めるか、などを考えるヒントを提供すること……いまだれもが生きるこの<世界>を規定する問題について、できるだけさまざまな視点から検討することです。同時多発テロとその後のアメリカの対応を前に、有効な提言もできず、事件を見通す明快な枠組みも提示できず、麻痺してしまったかのような自分(たち)の思考の感覚(不能)を手放さないようにしたいものです。ここから「考えること」の自己点検が始まるはずだと思います。本書はそうした視点に立って、ヨーロッパやアメリカの知識人だけでなく、インド、パキスタン、モロッコといった欧米以外の知識人の発言、さらに、一方の当事者たるラムズフェルド国防長官の発言まで、幅広く取り上げました。「世界はこの事件をどう捉え、何を考えたのか」という疑問に答えるだけでなく、複眼的で重層的な視点を提供し、<思考のレッスン>の一助となるべく刊行されます。この事件が、単にアメリカとイスラム諸国の問題ではなく、我々のだれもが考え抜くべき思想的な問題であることが、はっきりとみえてくるような文章を精選したアンソロジーです。
収録論文の思想家23人:1. エドワード・サイード/2. リチャード・ローティ/3. サミュエル・ハンティントン/4. ポール・ヴィリリオ/5. ジョルジョ・アガンベン/6. ジャック・デリダ/7. ドナルド・ラムズフェルド/8. アンドレ・グリュックスマン/9. アルンダティ・ロイ/10. アントニオ・ネグリ/11. サルマン・ラシュディ/12. アラン・フィンケルクロート/13. フランシス・フクヤマ/14. ユルゲン・ハーバーマス/15. サスキア・サッセン/16. ピエール・ルジャンドル/17. タリク・アリ/18. タハール・ベン・ジェルーン/19. オギュスタン・ベルク/20. ルネ・ジラール/21. ペーター・スローターダイク/22. ピエール・ブルデュー/23. スラヴォイ・ジジェク(ベルクは特別寄稿/本書収録順)
23人の筆者たちに初めて接する人たちに向けて、各論考には編訳者・中山元による前書を付し、巻末には読書案内も収録。

【編訳者からのメッセージ】
本書は、米同時多発テロ事件の直後から語り始めた海外の思想家たちの発言を集めたものである。訳者は、世界の哲学と思想の世界で起きている出来事を紹介し、現代の思想的な問題を考えるための資料として、メールマガジン『哲学クロニクル』をほぼ毎日発信してきた。米同時多発テロは、その日々のうちに起こった衝撃的な出来事だった。……多数の論考の中から、この事件がたんにアメリカとイスラム諸国の問題ではなく、ぼくたちのだれもが考え抜くべき思想的な問題であることが、はっきりとみえてくるような文章を集めるようにしている。読者は、それぞれの表現者を相手に、論争をしかけてみられてはいかがだろう。選り抜きのつわものぞろいだから、絶好の思考のレッスンになるだろう。(本書「あとがき」より)

【編訳者略歴】中山元(なかやま・げん)
1949年生まれ。哲学者・翻訳家。インターネット上で哲学サイト『ポリロゴス』(http://www.nakayama.org/polylogos/)を主宰し、メールマガジン「哲学クロニクル」をほぼ毎日、発信。著書に『フーコー入門』(ちくま新書)『新しい戦争?』(冬弓舎)、訳書にフロイト『自我論集』『エロス論集』、M・フーコー『精神疾患とパーソナリティ』、M・メルロ=ポンティ『メルロ=ポンティ・コレクション』、オギュスタン・ベルク『風土学序説』(以上、筑摩書房)など。


内容説明

本書は、米同時多発テロ事件の直後から語り始めた海外の思想家たちの発言を集めたものである。

目次

西洋とイスラムの対立ではなく(エドワード・サイード)
軍事国家アメリカ(リチャード・ローティ)
文明の衝突ではない、少なくともまだ…(サミュエル・ハンティントン)
予測が的中して残念だ(ポール・ヴィリリオ)
秘密の共犯関係(ジョルジョ・アガンベン)
だれも無実ではない(ジャック・デリダ)
まったく新しい戦争(ドナルド・ラムズフェルド)
妖怪が世界をさまよう…。(アンドレ・グリュックスマン)
「無限の正義」の算術(アルンダティ・ロイ)
ドルのタリバンと石油のタリバンの戦い(アントニオ・ネグリ)〔ほか〕

著者等紹介

中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退。哲学者・翻訳家。インターネット上で哲学サイト「ポリロゴス」を主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mealla0v0

1
〈9・11〉を受けて、世界の思想家たちがどのような発言をしたのかを収録してある。ほとんどの論者は、9・11後のアメリカの行動を批判しているのだが、おもしろいことに、本書には〈対テロ戦争〉の推進者D.ラムズフェルトやペンタゴンのイデオローグであったF.フクヤマ、S.ハンチントンの発言も収録してあるということだ。一方で、G.アガンベンやA.ネグリの生政治からの批判、J.ハーバーマスの「宗教との対話」などもあり、多彩でなかなかに示唆に富むものであった。2017/02/09

nightU。U*)。o○O

0
23人もの発言、しかもテロ直後のものばかりで、その内容は微妙に交錯し、見るところがそれぞれ違っているのが面白い。様々な観点からこの事件が起きたという主張を(ひとつの考え方、程度のものも含まれている)一挙に概観できるのが強みだ。然し本書は、発言のこの時系列の並び方がとても良い効果を与えている。最後に置かれたジジェクのP223以降はそれまでの発言のそれぞれの一部を概括したものと言える。殊更に印象的だったのは数人。まだ理解が及んでいないので、全体を再読した後、彼らの発言を三度四度再読したい。2013/12/12

tamioar

0
「表象の生」と「妄想の啓蒙」か…。紙一重だな…。すげーギリギリの思考。2013/06/01

Ai

0
10年経った今、再読したいです。

MADAKI

0
サイード、ハンチントン、ジジェクなど世界を代表する23人の知識人、思想家による同時多発テロに関する著述を集めたオムニバス。1つ1つ短いため読みやすい。2019/03/17

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