出版社内容情報
貴志 祐介[キシ ユウスケ]
著・文・その他
内容説明
1946年8月21日、磯部武雄は佐久間茂に殺されようとしていた。佐久間が出征している間に、その妻を寝取ったからだ。磯部の前に出されたのは一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。どちらかを口にして生き延びられたら罪は許されるという―(「罪人の選択」)。驚愕のミステリや戦慄のSFなどを収録した作品集。
著者等紹介
貴志祐介[キシユウスケ]
1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作となり『十三番目の人格―ISOLA―』と改題して刊行される。97年『黒い家』で日本ホラー小説大賞、2005年『硝子のハンマー』で日本推理作家協会賞、08年『新世界より』で日本SF大賞、11年『ダークゾーン』で将棋ペンクラブ大賞特別賞を受賞する。10年刊行の『悪の教典』は山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第1位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第1位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★Masako★
70
★★★★☆三話のSF作品とミステリーの表題作を収録した短編集。デビューの9年前に書かれた「夜の記憶」と最終話の「赤い雨」はどちらも世界設定が素晴らしく切なさも感じさせる壮大な物語だ。2話目の「呪文」は神に対して呪詞を吐き怒りをぶつける住民が住む惑星の話で、オチが見事!「罪人の選択」…どちらかに猛毒が入っている一升瓶と缶詰。罪人が生き残る為に選んだのはどっちか?終戦後と18年後、同じ状況となった二人の男たち。交互に描かれる心理描写が丁寧で緊張感が伝わり楽しめた。どれも読み応えがあり、貴志ワールドを堪能した。2022/11/28
えみ
68
人が外聞を気にせず足掻く姿に何故こうも目が離せなくなるのか。尊厳を守ること、未来に目的を抱くこと、大切な人がいるということ。このどれか一つでも持ち合わせていれば、人はきっと人であることをやめないでいられるだろう。生きるか死ぬかを迫られたとき、心に思い起こせば生きていくことができるのだろう。SFそしてミステリを組み合わせた最高の3篇が収録された短編集。まさかこれがデビュー前の作品だったとは!とその才能に驚愕せずにはいられない一篇も収録されている。突き付けられた理不尽に葛藤する細微な心の描写が素晴らしかった。2022/11/11
ムーミン
27
今の自分には合わない読書になってしまいました。いいコメントの多い作品なのにもったいなかったです。2023/04/24
ピロ麻呂
19
ウ~ン😵やっぱりSFはちょっと苦手かも…2023/04/30
すたこ
19
★★★時間かかったー。貴志さんの本は好きなのに、何故かこの一冊は読んでると眠くなってしまってダメだった。 特に2章目の『呪文』は全然進まなかった。貴志さんは未知の世界や生き物を書かせたら日本一だと思っている。今回も得体の知れない生き物やウィルスが出てきて気持ち悪くて面白かった。2023/02/20