文春新書<br> 歴史人口学で見た日本 (増補版)

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文春新書
歴史人口学で見た日本 (増補版)

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166613632
  • NDC分類 334.2
  • Cコード C0221

出版社内容情報

「日本の多様性」を見事に明かした名著!

磯田道史氏「速水先生と出会わなかったら、私の学者人生はなかった」(磯田道史氏)
エマニュエル・トッド氏「別格の素晴らしさ。この偉大な学者の〝技”のすべてが詰まっている」

 著者の速水融氏は、慶応義塾大学、国際日本文化研究センターなどで教育・研究に携わった経済史家で、「日本における歴史人口学のパイオニア」。仏歴史人口学者のエマニュエル・トッド氏も、「日本の歴史人口学の父」と称えている。
 速水氏は1960年代に欧州に留学。当時、キリスト教会の洗礼、結婚、埋葬の記録簿(「教区簿冊」)を利用して、マクロの人口研究ではなく、結婚年齢、家族構成など、ミクロの人口研究(=歴史人口学)が活発に行われていた。これを見た速水氏は、江戸期の「宗門人別改帳」を使って、同様の研究が可能だと直感し、帰国後直ちに本格的な研究を開始(ちなみに結婚年齢、生年没年、家族構成までを記録した近代以前の史料が残っているのは、世界的に見て稀なことで、こうした史料は欧州と日本にしかない)。
 『近世農村の歴史人口学的研究』(1973年)では、人別帳から一軒一軒、一人一人の記録を洗い出し、信州諏訪地方で直系3世代世帯からなる近世的世帯が形成される過程を明らかにした。また、詳細な人口統計の作成を通じて、18世紀中期に始まる人口停滞が、高い死亡率ではなく、出生率の低下に原因があることを示した。
 『近世濃尾地方の人口・経済・社会』(1992年)では、詳細な個人の追跡調査を通じて、徳川時代にも農村と都市の間で恒常的な人口移動があったこと、農民の出稼ぎ先の変化から徳川中期以降、経済構造に変化があったことを示唆。
 また速水氏は、世界史的なスケールで日本経済史を描き、古代文明の周辺に位置する西欧と日本の歴史過程は、「封建社会」を経験する点で共通すると指摘した。
 本書は、速水氏の長年にわたる仕事のエッセンスをコンパクトにまとめたもので、「歴史人口学」の最良の入門書。と同時に、「歴史人口学で見た新しい日本史」。速水氏が学士院の紀要に寄稿した論文を新たに加えた増補版。

内容説明

留学先の欧州で教区簿冊を利用した「歴史人口学」(結婚年齢、家族構成など、ミクロの人口研究)に出会った著者は、帰国後「宗門改帳」を使って同様の研究を開始し、江戸期庶民の暮らしぶりを活写。「家族」と「人口」から見た「新しい日本史」。

目次

第1章 歴史人口学との出会い
第2章 「宗門改帳」という宝庫
第3章 遠眼鏡で見た近世―マクロ史料からのアプローチ
第4章 虫眼鏡で見た近世―ミクロ史料からのアプローチ
第5章 明治以降の「人口」を読む
第6章 歴史人口学の「今」と「これから」
特別附録 歴史人口学―成立・資料・課題

著者等紹介

速水融[ハヤミアキラ]
1929‐2019年。慶應義塾大学経済学部卒業。経済学博士。日本常民文化研究所研究員、慶應義塾大学教授、国際日本文化研究センター教授、麗澤大学教授を歴任。専攻は日本経済史、歴史人口学。2009年文化勲章受章。日本学士院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

67
人口調査がなかった時代の人口をどのようにして知るか。歴史人口学という学問がそれに答えてくれる。そして推定された数字から浮かびあがるのが、昔の人々の暮らしの実態。イメージから単純に過去の姿を決めつけていると、思わぬ落とし穴にはまってしまうだろう。驚くべきは、キリスト教という宗教に対しての、各国の態度には大きな違いがあるのに、それぞれの国で作られた文書の内容には、奇妙に酷似した点が見られること。もし江戸期の日本が鎖国をしなかったら、江戸時代の人口についての良質な記録は残されなかったと思えば、複雑な思いがする。2022/08/01

shikashika555

42
磯田道史さんの帯にひかれて読む。 歴史人口学というものについての知識はなくそんなジャンルがあったのか、程度の認識。 とても興味深く、その研究において必要とされる歴史や地理や書道の知識と読解や資料作成に要する忍耐を思って読んでるだけで肩がこる心地。 江戸時代美濃地方においての農村と都市の人口動態が非常に興味深い。 そして、都市は流入した人をすり潰していくような仕組みを持っていることの変わらなさに愕然とする。 日本を東北、中央、西南に分けてその人口と家族形態を比較している項にも興味を引かれた。2023/12/12

ころこ

42
01年に出版された新書を著者の死後に再刊したものだ。自分史を交えた学問との出会いと、入門書としての紹介、分析、考察を行っている。歴史人口学とは、ルイ・アンリが教区簿冊から出生、結婚、死亡に関する信頼性の高い指標を得て、そこからマクロのデータをつくり分析、考察を重ねたことに始まる。著者はヨーロッパ留学時にこの手法に出会う。日本には宗門改帳という類似の史料があったために、著者は日本で歴史人口学を発展させていった。帯にあるように、この手法はエマニュエル・トッドも用いている。読んだ限りで歴史人口学の醍醐味は、マク2023/09/03

yutaro sata

32
磯田さんの先生の本ということで。ミクロとマクロその両方から辿るって話が、こういうところから来ていたんですね。いろいろなものを含めた「他者」というものに出会うことで、あわてふためいて、しっかりした自己を作ろう、保持しようとなり、結果的にそれが歴史の貴重な資料になるというこの巡り合わせ。仕事の途方もなさ。すごい。2022/11/09

さきん

31
トッド氏や磯田氏へ多大な影響を与えた速水氏の統計資料を分析した研究。まさか新書になって復活するとは思わなかったから大変興味深く読ませていただいた。統計から家族形態や環境の変化、経済構造が見えて仮説に対する数字の裏付けが取りやすい。日本は、キリスト勢力への警戒を契機に寺を通じての記録が早い時期から取られていた。都市での出生率が低い、大家族から小家族へ、農業も家族農業で生産性アップの労働意欲の亢進など、農からの視点も興味深い。2022/09/10

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