内容説明
「本物の英語」の衝撃。これがあのガリヴァーですか。ロビンソン・クルーソーはこんな人でしたか。『高慢と偏見』の恋愛術がすごい。「黒猫」、キモチ悪い。百聞は一見にしかず。気になるあの名作に、なまの目で触れてみてください。
目次
第1章 ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』(1719)を読む
第2章 ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』(1726)を読む
第3章 ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(1813)を読む
第4章 エドガー・アラン・ポオ「黒猫」(1843)を読む
第5章 F・スコット・フィッツジェラルド「リッチ・ボーイ」(1926)を読む
第6章 アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』(1952)を読む
第7章 村上春樹「シェエラザード」(2014)を読む
著者等紹介
阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年生まれ。東京大学文学部教授。英米文学研究。文芸評論。著書に『文学を“凝視する”』(岩波書店、サントリー学芸賞受賞)ほか。翻訳もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
81
年をとっても英語やドイツ語の参考書などが気になって時たまこのような本を読んだりしています。英文学の名作を取り上げてその読みどころや作者の解説をして英語での文をいくつかピックアップして語彙や文法などのポイントを挙げています。7つの作品が掲載されていて読みやすいものばかりです。2021/05/26
コニコ@共楽
18
読メのレビューを見て読みたいと思った本です。副題の”英文学教授が教えたがる”というところに名作選書の妙が気がします。例えば、『ロビンソン・クルーソー』、『ガリヴァー旅行記』など、18世紀の英語で分詞構文の解説をしたり、『黒猫』、『老人と海』で英文の歯切れの良さを説いたりなど、楽しめました。意外で印象的だったのは、村上春樹の「シェラザード」。フィッツジェラルドの「リッチ・ボーイ」を読んだ後に村上作品の英語翻訳を読むと、いかに彼がフィッツジェラルドやカポーティなどから影響を受けたかを感じられました。2022/02/12
マカロニ マカロン
7
個人の感想です:A-。ロビンソン・クルーソー、ガリヴァー旅行記、高慢と偏見、黒猫、リッチ・ボーイ(フィッツジェラルド)、老人と海、シェエラザード(村上春樹)の7篇の名作について、作品の概要とあらすじ、読みどころ、抜粋部分の和訳、原文、語釈と文法の解説、より深く読むの順で「ミルフィーユ型」で解説してある。名作ぞろいだが、ロビンソン、リッチボーイは読んだことがなく、著者の解説でとても読みたくなった(ただし英語ではなく翻訳作品で)。18世紀の英文でも手を入れてあるのか、丁寧な文法解説もあり割と食いついていける2021/07/28
Hiro
2
とても読みやすく参考になる英文学入門書。デフォー、スウィフト、オースティン、ポー、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、そして村上春樹の7人の作品を紹介している。村上をアメリカ文学の影響を強く受け英語圏を中心に広く世界で読まれる広域汎英語文学と捉えているのが面白い。作品の概要と分析に、原文と語釈、注解、和訳、参考になる翻訳や論文の紹介までをコンパクトにまとめている。loose sentenceとperiodic sentenceの紹介など英文解釈を少し高級にした話があって英語学習をさらに先に進める良い刺激。2022/06/09
ろくしたん
2
『老人と海』『高慢偏見』だけ知ってた。村上春樹とかの話も出てきました。なんかいい感じなんだけど、内容はいまいち薄いかな…2021/11/04