出版社内容情報
本書は毎日新聞のキャンペーン報道「優生社会を問う」をベースに、担当した2人の記者が書き下ろしたものです。旧優生保護法が改正されて四半世紀近くが過ぎましたが、障害者への社会の理解は深まったのでしょうか?障害者を取り巻く環境は改善されたのでしょうか?新型出生前診断(NIPT)が拡大するのを利用した数多のクリニックの「検査ビジネス」は急成長中で、「不安ビジネス」として社会問題化しています。障害者施設が建設される際、いまだに周辺住民の反対運動が、最初の大きな壁となります。そして、実の親による障害児の社会的入院、治療拒否……。障害者入所施設・津久井やまゆり園(相模原市)での大量殺人が世間を震撼させている今日、いまだ弱者が切り捨てられるわが国の現状を検証します。
内容説明
妊婦の不安を煽る「出生前診断ビジネス」、障害の重いわが子の治療を拒否する親たち、「相模原殺傷事件」施設で続く虐待疑惑…わが国の「優生社会」化が止まらないのはなぜか?新聞協会賞受賞ジャーナリストが“命とは何か?”を問う!
目次
第1章 妊婦相手「不安ビジネス」の正体―新型出生前診断拡大の裏側
第2章 障害者拒み「地価が下がる」―施設反対を叫ぶ地域住民
第3章 見捨てられる命―社会的入院、治療拒否される子どもたち
第4章 構図重なる先端技術―ゲノム編集の遺伝子改変どこまで
第5章 「命の線引き」基準を決める議論―受精卵診断の対象拡大
第6章 誰が相模原殺傷事件を生んだのか―人里離れた入所施設
第7章 「優生社会」化の先に―誰もが新たな差別の対象
終章 なぜ「優生社会」化が進むのか―他人事ではない時代に
著者等紹介
千葉紀和[チバノリカズ]
毎日新聞記者。1976年広島県出身。英リーズ大学大学院地球環境学研究科修了(MSc:Sustainability)。生命科学や医学、宇宙開発、軍事技術分野などを長く取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞。個人では「日本学術会議 軍事研究否定見直し検討のスクープと軍事と学術の接近を巡る一連の報道」で2017年度新聞協会賞候補。千葉大学元非常勤講師(科学技術倫理学)
上東麻子[カミヒガシアサコ]
毎日新聞記者。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業、1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、東京本社くらし医療部などをへて統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、性暴力などを取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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