ルポ「命の選別」―誰が弱者を切り捨てるのか?

個数:
電子版価格
¥1,700
  • 電書あり

ルポ「命の選別」―誰が弱者を切り捨てるのか?

  • ウェブストアに6冊在庫がございます。(2024年04月23日 17時33分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 328p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163913049
  • NDC分類 498.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

本書は毎日新聞のキャンペーン報道「優生社会を問う」をベースに、担当した2人の記者が書き下ろしたものです。旧優生保護法が改正されて四半世紀近くが過ぎましたが、障害者への社会の理解は深まったのでしょうか?障害者を取り巻く環境は改善されたのでしょうか?新型出生前診断(NIPT)が拡大するのを利用した数多のクリニックの「検査ビジネス」は急成長中で、「不安ビジネス」として社会問題化しています。障害者施設が建設される際、いまだに周辺住民の反対運動が、最初の大きな壁となります。そして、実の親による障害児の社会的入院、治療拒否……。障害者入所施設・津久井やまゆり園(相模原市)での大量殺人が世間を震撼させている今日、いまだ弱者が切り捨てられるわが国の現状を検証します。

内容説明

妊婦の不安を煽る「出生前診断ビジネス」、障害の重いわが子の治療を拒否する親たち、「相模原殺傷事件」施設で続く虐待疑惑…わが国の「優生社会」化が止まらないのはなぜか?新聞協会賞受賞ジャーナリストが“命とは何か?”を問う!

目次

第1章 妊婦相手「不安ビジネス」の正体―新型出生前診断拡大の裏側
第2章 障害者拒み「地価が下がる」―施設反対を叫ぶ地域住民
第3章 見捨てられる命―社会的入院、治療拒否される子どもたち
第4章 構図重なる先端技術―ゲノム編集の遺伝子改変どこまで
第5章 「命の線引き」基準を決める議論―受精卵診断の対象拡大
第6章 誰が相模原殺傷事件を生んだのか―人里離れた入所施設
第7章 「優生社会」化の先に―誰もが新たな差別の対象
終章 なぜ「優生社会」化が進むのか―他人事ではない時代に

著者等紹介

千葉紀和[チバノリカズ]
毎日新聞記者。1976年広島県出身。英リーズ大学大学院地球環境学研究科修了(MSc:Sustainability)。生命科学や医学、宇宙開発、軍事技術分野などを長く取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞。個人では「日本学術会議 軍事研究否定見直し検討のスクープと軍事と学術の接近を巡る一連の報道」で2017年度新聞協会賞候補。千葉大学元非常勤講師(科学技術倫理学)

上東麻子[カミヒガシアサコ]
毎日新聞記者。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業、1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、東京本社くらし医療部などをへて統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、性暴力などを取材。キャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班で2018年度新聞協会賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

84
新型出生前診断・着床前診断・ゲノム編集という出生に関わる問題と、障害者施設建設反対運動・社会的入院・相模原殺傷事件など障害者受容の社会的問題を問う渾身のルポである。医学・科学が専門の千葉さんと、福祉や医療に詳しい上東さんという二人の毎日新聞記者による両面からのアプローチが鋭い。底流を流れるテーマは「優生思想」。我が子の出生の選別には利己的でありながら、社会的な問題には排他的になる自分たちの中に、優生思想が潜在していることに気付かされる。「健康」と「優生」とが紙一重の危うさにあることなどにもハッとする。2021/02/13

遊々亭おさる

29
相模原殺傷事件の遠因だとも言える我々が生きる社会が抱える優生思想を出生前診断などによる医療ビジネスや障害者グループホームを巡る地域住民の反対運動などから炙り出した一冊。人間の価値とはなんぞや?批判が殺到した杉田議員の生産性が人間の価値だとする考えは、働かざる者食うべからずとする我々の価値観と根は同じではないかと感じる。植松死刑囚も杉田議員と同じ価値観を口にした。我々は植松死刑囚の価値観を否定することに後ろめたさを感じているか。コロナ渦で命の選別が議論された。それは我々も持つ優生思想と向き合う好機でもある。2021/02/17

読特

28
「なかったことにしたい」「遠くで暮らして欲しい」「生まれないで欲しい」。それが本音だとしたらなんと悲しいこと。傍観者として眺めているだけならなんとでも言える。「現実は過酷だ」当事者にそういわれたら、返す言葉はない。「ほっと一息つく暇もない」それでも幸せは思わぬ瞬間に感じるもの。自分も家族も健常で、一見平穏な暮らしにみえても、生きていくのは楽ではない。ハンデがある人もそうでない人も、身近にいて、助け合いながら暮らして行く。そんな古くて新しい世の中であったらいい。いろんな問題を読み進めながらそう思った。2021/02/14

ロア

26
危険を承知で語り合いたい本。全員がそれぞれの立場で少しずつ違う意見を持つだろうし、時代と場所が変われば答えも180度平気で変わると思う。私達の誰にも正しい答えなど出せない。2021/02/15

崩紫サロメ

23
「命に優先順位をつけること」に関する様々なテーマを取り上げる。妊婦の不安を煽り、「不安ビジネス」と化している出生前診断」。異常があった場合には9割の人が中絶を選ぶというが、それは個人の決定だけではなく、強い母性愛規範が女性を追い詰めているし、福祉施設ができれば「地価が下がる」というような社会的圧力がある。やまゆり園の件に関して、園における障害者虐待こそが犯行に至らせた原因ではないか、とも指摘する。今も、「生ませない」圧力が強くある。そういう選択をするような圧力が。どこかでそれに自分も加担しているのだろう。2021/02/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16879969
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。