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ウィキペディア・レボリューション―世界最大の百科事典はいかにして生まれたか

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  • サイズ B6判/ページ数 443p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784153200050
  • NDC分類 547.48
  • Cコード C0200

内容説明

全世界で15万人が執筆し、合計1000万以上の項目を有する巨大百科事典ウィキペディア。執筆も修正も削除も自由な百科事典を不特定多数の好事家の手に委ねるという無謀なコンセプトを実現させるには、テクノロジーの進歩のみならず、ルールの制定や管理者権限の調整など、共同作業を管理(あるいは放置)する手法の成熟も必要であった。ウィキペディアの苦渋に満ちた草創期から、爆発的に増殖を続ける現在までを、自らも編集者・管理者として携わる気鋭の学者がレポートする。

目次

第1章 ウィキ現象
第2章 ヌーペディア
第3章 ウィキの起源
第4章 ウィキの登場
第5章 コミュニティの力(ピラニア効果)
第6章 国際化するウィキペディア
第7章 トロール、荒らし、ソックパペット
第8章 コミュニティの危機
第9章 ウィキペディア、波を起こす

著者等紹介

リー,アンドリュー[リー,アンドリュー][Lih,Andrew]
メディアとテクノロジーに関する研究者、コンサルタント、ジャーナリスト。AT&Tベル研究所などに勤務のあと、90年代に初期の複数のドットコム企業の創設に携わる。2000年には非常勤教授として勤めるコロンビア大学ジャーナリズム大学院でニューメディアに関する講義を開き、同大ニューメディア・センターの所長を務める。この期間には、ニューヨークのメディア企業にコンテンツ戦略やウェブデザインについて助言し、ピュリッツァー賞のマルチメディア・コンテンツへの適用にも貢献する。2003年には香港大学ジャーナリズム・メディア研究センターの准教授兼所長となり、2006年以降は北京に居をおき、中国のインターネット事情や検閲システムの専門家として多忙な日々を送っている。ウィキペディアには2003年以降、英語版の編集作業に参加。現在では管理者も務めるかたわら、ウィキペディア関連のニュースをポッドキャストで配信するWikipedia Weeklyも主宰している

千葉敏生[チバトシオ]
翻訳家。1979年神奈川県生まれ。早稲田大学理工学部数理科学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星空の挑戦者

5
Unix,Linux文化をかじったことがある方はご存知のGNUプロジェクト(フリーソフトウェア財団がサポート)が原点であることこの本で知った。創生期時代の集会(ドイツのユースで開催)での一悶着など興味深い裏話が多数あり。ネットの世界では最終的に、商業主義と対極にいなければ生き残れないのではと思った。フリーという思想は大事です。2011/03/30

1
前からウィキペディアの成り立ちについて興味があったので読んでみた。ベースにあるのがハッカー文化というのは面白い。他にもグダニスク/ダンツィヒの編集合戦なども興味深かった。本著の発行が2009年とすでに10年以上前なので、その後の状況や日本特有のウィキ事情なんかについても知りたくなった。2020/04/18

スプリント

0
読み応えがありました。執筆者をボランティアにすることでより実用的な百科事典が生まれたことがよく理解できます。袂を分かったサンガーが取り組むシチズンジアムにも価値はあると思いますが日常的に参考にできる身近な記事が多いウィキペディアの存在意義が揺らぐことはないと思います。2013/08/05

mahiru123

0
ウィキペディアの歴史がたっぷりと詰まった一冊。 順調に成長しているように見えるウィキペディアが、裏でいかに苦労を重ねながら成長してきたかがわかるものとなっている。 技術的な苦労と解決についての話は、理系の人間としては大変興味深かった。やはり、プログラミングのパワーが実感できる。 他にも、ウィキペディアに関する面白い話が多くあって、思いの外読み応えのある本だった。 2012/09/21

おちこち

0
タイトルにあるウィキペディアの成り立ちだけでなく、長所と短所を詳しく解説しているところがこの本の主な読みどころ。また、似たプロジェクトをいくつか紹介したり、各言語ごとのウィキペディア・コミュニティの違いや底流に流れているハッカー倫理について論じているのも非常に面白い。ウィキペディアだけでなく、ネット文化全般について様々な視点を教えてくれる良書。2013/01/08

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