内容説明
愉快、痛快、奇々怪々、紀要、多彩で、怪力乱舞。ようこそ、奇想ワールドへ。
著者等紹介
ブラウン,フレドリック[ブラウン,フレドリック][Brown,Fredric]
1906‐1972。オハイオ州生まれ。大学中退後、いくつかの職業を経て1936年ごろに作家デビュー。1948年に初の長篇作品である『わが街、シカゴ』でアメリカ探偵作家クラブ賞の最優秀新人賞を受賞。ミステリ、SFの両ジャンルで、長篇・短篇にまたがって、長く活躍した
星新一[ホシシンイチ]
1926‐1997。東京市本郷区生まれ。1957年、日本初のSF同人誌“宇宙塵”の創刊に参加。1968年に『妄想銀行』で第21回日本推理作家協会賞を受賞。1983年には、ショート・ショート作品通算1001篇を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
82
筒井康隆最新刊「ジャックポット」に「電脳ヴァヴェリ」のことが書かれていた。電気を食べてしまう生物によって電気がなくなってしまった世界、まるで今のコロナ禍のようであると。日常であったものが消え、新たな日常が現出する。笑えない現実である。ともあれ、星新一訳のフレドリック・ブラウン、久々に懐かしいSFの世界に浸った気がする。2021/03/07
TATA
47
「バーナード嬢」から。星新一さんの訳によるSF短編集。エス氏やエフ氏は出てこないですが、少し薄暗くて、藤子・F・不二雄さんの大人向け作品のような味わい。「少し不思議な」SFを堪能してノスタルジーに浸れる、そんな作品です。「電獣ヴァヴェリ」と「シリウス・ゼロ」が好みでした。2020/07/17
香菜子(かなこ・Kanako)
47
さあ、気ちがいになりなさい。フレドリックブラウン先生の著書。奇妙だけれどとても面白くて最後までハラハラドキドキしながら楽しめる短編小説の数々。翻訳はショートショートで有名な星新一先生。星新一先生のファンの皆様には、ぜひ読んでほしい一冊です。2018/09/03
空猫
39
中高生の頃読み漁っていた作家の1人に星新一氏がいる。当時その星氏が多大な影響を受け、その翻訳していたと知っていたらきっと読んでいただろう。もしそうだったなら翻訳本の苦手意識が解消され、当時から他の海外作品も読んでいたと思う。そんな後悔が生まれる程素晴らしい1冊。冒頭の[みどりの星へ]の狂気に戦慄し 次の[ぶっそうなやつら]のウイットに感嘆し 後はもう止められなくなった。読みやすいのに骨太でしっかりと噛みごたえのある文章も嬉しい。他の作品も是非読んでみたい。2017/09/01
出世八五郎
35
苦手な翻訳物だがすんなりと読めた。星新一のショートショートは読んだことはない。ずらりと並んだ短編集はどれも短く単調な作品が多いが、最後の落ちが重要で、それがどの作品においても“じわじわ”とくる。これは感動的な“じわじわ”ではなく、“もやもや”というか何とも言えない余韻を残す。表題作のラストなどは“もやもや”の極み。まさに『人間とは、お笑い草、道化者、寄生物といったところだ、とるに足らない存在だ。無以下の存在だ・・・わかったろう。さあ、気ちがいになりなさい』・・・2017/02/18