Hayakawa novels<br> すべての美しい馬

Hayakawa novels
すべての美しい馬

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152078414
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1949年。祖父が死に、愛する牧場が人手に渡ることを知った16歳のジョン・グレディ・コールは、自分の人生を選びとるために親友ロリンズと愛馬とともにメキシコへ越境した。この荒々しい土地でなら、牧場の仕事を続けていくことができると考えたのだ。途中でブレヴィンズという年下の少年を道連れにくわえ、3人は予想だにしない運命―、激しい恋、流血、1人の死の渦中へと踏みこんでいく。メルヴィル、フォークナーに比肩するといわれる作家が、詩的な文章で美しくも苛烈な世界での青春を描く。全米図書賞、全米書評家協会賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

43
祖父が亡くなり譲られるべき牧場が売られ、友達と2人働く場所を求めメキシコへ行く。読点もなく出来事だけが淡々と綴られた文章に重要なことを読み飛ばしてしまいそうだ(訳者あとがきに大いに助けられる)。「」なく交される友達との会話がいい。が、心情が書かれておらず、その目的や気持ちがわかるのは、ことが終ったあとだ。牧場主の叔母の話はメキシコの風土、トルティーヤとともに印象的だ。収監された時以外はいつも馬と一緒にいるジョン・グレイディ(なかなかいい青年だ)、16歳の若さにして天国も地獄も知った彼の未来を想像してみる。2018/05/12

taku

32
色味を抑えた古いロードムービーの映像が目に浮かぶ。詩情的に重ねる風景描写が、その場の気配まで感じさせるよう。会話は言葉少なに、心理描写をほとんどしないことが却って情緒を掻き立てる。馬を愛し、馬と共に生きていく場所を求めた少年を運命は冷酷に迎え入れる。人は馬のように美しく純粋ではない。国境を越えそれを思い知らされてなお、自分らしく生きる場所を求めて進むのか。危うさがありながら、苦み走った大人の落ち着きも感じさせる少年だ。雰囲気や文体が好み。二作目、三作目も読みたくなった。2017/05/15

tsu55

24
熱いハートと野生への飽くなき憧れ、自分の道を真っ直ぐ歩きたい。現代の社会ではこんな男には居場所がない。 幾多の苦難を乗り越えて成長した少年はまるでカウボーイ版フィリップ·マーロウ。ハードボイルドだど。2018/11/24

慧の本箱

21
16歳のジョン・グレイディ・コールは親友ロリンズと愛馬とともにメキシコへ旅立つところから話は進んでいきます。この独特な文体は読み進むごとに 密度の高いものとして迫ってきます。主人公ジョン・グレイディ・コールを通して、人間の成長 自由の探求 友情 恋愛 冒険 宗教倫理などの普遍的テーマが過酷な現状の中で語られています。単なる青少年の成長の旅立ちの話だけにとどまらないものをコーマック・マッカシーは圧倒的な筆力と表現力で読み手に挑んできます。 2020/12/20

ふう

14
【ガーディアン必読小説1000冊】#100 100冊目に読もうと決めていました。テキサスの少年がおとなになるためのロングツーリング。馬の熱い体温が感じられるいい本。2016/12/12

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