出版社内容情報
密林に栄えた古代都市。その繁栄を支えたエネルギーは何か。碑文、発掘成果から迫る
アンコール王朝は、9世紀に密林を切り拓き、その大扇状地に26代続くクメール人による王朝であった。歴代の王は、バライと呼ばれる灌漑用環濠、王都、寺院の3点セットを建設。高さ65メートルの尖塔をもつアンコールワットはじめ巨大伽藍を建設。寺院は王朝の宗教が変わるたびにシヴァ神、ヴィシュヌ神、仏教の偶像が挿げ替えられ、大規模な偶像破壊もあった。著者の率いる調査団が地下に埋納された大量の仏像を発掘し、世界に衝撃をもって報じられた。その後も、アンコール王朝史を書き換えるような調査が続けられている。各地に残された碑文の解析や新発見史料の解説を加筆し、アンコール王朝の興亡史を通観する。
内容説明
世界的なアンコール学研究者の六〇年近い研究の総決算。往時の人々の六〇〇年に及ぶ叡智と最先端技術の結晶である世界遺産アンコール。前にすると膨大な石造伽藍に圧倒される。クメールの人々は、これだけの建造物をどうやって造ったのか、労働力を支えた経済力は何によって賄われていたのだろうか、造営した二六代の王たちは何を考え、どのように生きたのか。碑文、発掘成果、最新測量技術などを駆使した研究成果を踏まえ、アジア世界へとつながっていた王道の踏破、周辺五大都城調査、世界的な大発見二八〇体の仏像の発掘などを通して、王たちの興亡の歴史を振り返る。
目次
第1章 アンコール遺跡とは何か―巨大な建寺エネルギーに圧倒される
第2章 群雄割拠をまとめた若い王―前アンコール時代末期からジャヤヴァルマン三世まで
第3章 アンコール王朝を造営した炯眼の王
第4章 最初の大都城ヤショダラプラ
第5章 アンコールへの再遷都を行なった王
第6章 最初の建寺王―忠誠を誓った査察官たち
第7章 スールヤヴァルマン二世の大いなる野望
第8章 偉大な建寺王ジャヤヴァルマン七世
第9章 浮彫りに描出されたアンコール都城の人々
第10章 すべての道はアンコールへ―ヒトとモノが動いた王道
第11章 世紀の大発見、二八〇体の仏像発掘―歴史は塗り替えられた
著者等紹介
石澤良昭[イシザワヨシアキ]
1961年上智大学外国語学部卒。文学博士(中央大学)。専攻は東南アジア史(特にアンコール王朝時代の古クメール語碑刻学)。現在、上智大学教授、上智大学アジア人材養成研究センター所長、上智大学アンコール遺跡国際調査団団長。第13代上智大学学長(2005‐2011)。2003年「国際交流基金賞」受賞、「ラモン・マグサイサイ賞」受賞。2018年「モニサラポン勲章」受章。2020年王立プノンペン大学より「名誉博士号」を授与された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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