内容説明
ビルとモールに覆われた東京はかつて田園都市だった!70年にわたる東京の変貌を多角的に捉えなおす。
目次
第1章 箱化する都市
第2章 サティアンとショッピングモール
第3章 原発と国立競技場
第4章 東京の原風景
第5章 アトムとジブリ
第6章 ニュータウンの盛衰
第7章 戦後東京という原風景
著者等紹介
三浦展[ミウラアツシ]
1958年、新潟県生れ。家族・若者・消費・都市・階層化などを研究。一橋大学社会学部を卒業後、(株)パルコに入社、情報誌「アクロス」編集長を務める。90年、三菱総合研究所入社。99年にカルチャースタディーズ研究所を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
28
三浦展氏の都市論。論というタイトルだが堅苦しさがなく軽いタッチですっと読める。新国立競技場のデザインが旧案に決まった時期の出版なので、オリンピックはもとより大規模イベント関連の記述が多い。2022/03/31
壱萬弐仟縁
28
われわれは、快適でお洒落な都市の箱の中で、歩きながら金を払うブロイラー(31頁)。都市という装置に仕組みに飼いならされているようだ。ならば、中山間集落で本物の鳥を飼育すべきなのだろうか? 来るべき食糧難に向けて・・・。市民が美しい日本と決めるべきで、誰かが市民の知らない間に事が進む怪(72頁)。箱の開発。箱ばかりで景色が醜いといいたいようだ。写真やマンガを多用し、今昔風景の変容を解明。人口減少時代の大都市の諸相を描いている。2015/07/01
とみやん📖
13
第四の消費、東京は郊外から消えてゆく、下流社会など、卓越した評論の多い三浦氏の風景論。 恋しきは何事につけても還らぬむかし、の通りで、失われつつある風景をノスタルジックに求めるのは人情だと思う。かく言う私も昭和の名残を求めて都内を散策する一人だ。 今昔の写真が沢山配置されていて楽しい。ただ、前半の考察は鋭さを感じるが、ザハの辺りは個人的な好みや趣味の問題になっている。 今の東京の状況も時代の流れであって、政治や行政、建築家だけのせいではないと思う。ロゴスとエロスの辺りは納得。2020/07/24
bapaksejahtera
12
著者はパルコで本書の批判する渋谷の箱化にも携わったのだろう。カチンとくる表現も多いが、大筋は妥当な事を簡明直截に述べている。大都市は土地資源の効率利用としてビルの高層化を図る。しかしバブル期を境として都市は景観や住民の利便を無視した巨大建造物及びその群体の効率のみを自己目的として成長せしめ、結局は人間の動きさえ流体として設計する「箱化」を遂げた。この没個性化は全国に及ぶ。そのアンチテーゼとして辛うじて生じた地域振興も「谷根千」の如くステレオタイプ化する。都市文化を考慮に入れぬ建築家や為政者に警鐘を鳴らす本2022/07/19
おかむら
10
箱化する都市、なるほどねー。箱(商業ビルとか)の中身はたしかにキレイだけどチェーン店ばかりでつまらんわ。街の裏通りや横丁の小汚い店のほうが楽しいし旨い←ハズレもあるけどそれもまた楽し。1本入るとゴミゴミしてる東京がどんどんキレイになるのは嫌だなあ。新橋西口再開発ってこないだニュースでやってたけど、ほんとやめてくれー。オリンピックのせいかしら? この本難点がひとつ、写真が白黒で粗いので老眼には見づらいです。2014/11/18