NHKブックス
ブータン仏教から見た日本仏教

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910320
  • NDC分類 182.1
  • Cコード C1315

内容説明

日本仏教の本質を見極めるために、いま世界的視野から仏教を見直すことが求められている。フランスで仏教史研究に従事し、大乗仏教国ブータンで暮らした経験など、自身の40年に亙る仏教探求遍歴を踏まえて、回忌法要・僧侶の妻帯・寺院の世襲など、日本仏教の異質性を鋭く解き明かす。日本語訳大蔵教をもたなくて、仏教の本当の姿を知っていると言えるのか。さらに、いま仏教の教えが人々にどんな救いを与え得るのか、経済市場主義から幸福至上主義へ向けて、仏教の果たすべき役割を問う。

目次

第1章 私と仏教との出会い
第2章 私の仏教探究遍歴記
第3章 ブータンで学んだこと
第4章 ブータン仏教から見た日本仏教―個人的体験から
第5章 日本仏教の特異性
第6章 さらば浄土真宗
第7章 仏教の中心思想とその変遷
第8章 ブータンとフランスの仏教
第9章 日本仏教の課題と将来性

著者等紹介

今枝由郎[イマエダヨシロウ]
1947年愛知県生まれ。大谷大学文学部卒業。パリ第七大学国家文学博士号修得。1974年からフランス国立科学研究センター(CNRS)に勤務。研究ディレクター。1981年~1990年ブータン国立図書館顧問としてブータンに赴任。現在、フランス在住
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

陰翳rising sun

13
日本仏教の常識がひっくり返る。日本に土着化した仏教が、いかに仏陀の教えの本質を失ったのかがわかる。2021/05/27

はちめ

6
期待していたブータン仏教に関する記述は少なく、伝統的な日本仏教に関する批判が大半だった。趣旨には賛同するが日本に宗派仏教は変わらないだろう。記述の内容に先に読んだ『ブータンに魅せられて』と全く同じ部分がありがっかりした。まあ、本書に方が先に上梓されているのだが。☆☆☆☆2021/06/20

可兒

4
現役「日本仏教」信者としては、有難くも今更感あふれるお話だった。結局、「現代日本・日本仏教は腐っている」という主張が、いかに説得力をもつのかの説明だけとも思える。実際、阿弥陀や大日はては親鸞日蓮なんぞを拝む教団を仏教とは言いがたいが、いやしくも仏教徒たるものは的な文章に違和感。いつから混合仏教は日本の専売特許になったのかという疑問も。頭を冷やして再読必須2010/01/18

かず

2
今まで、自分自身に縁深い浄土教を中心に、代表的書物により大乗仏教の発展を古代から読み進めてきたが、そこで感じたのは「シナを経由したことで『二元性が付加』され、インドの仏教とは全くの別物になってしまったものを、これまで有り難がってきた」ことへの批判的観念である。いや、今では、既に、一般的には「有り難がってすらいない」のかもしれない。こういった経緯から本書を手に取ったが、概ね賛同する。ただし、自分は著者と違い、日本独自の進化を遂げ、民衆の教化に果たした一定の効果は、積極的に捉えたい。日本仏教が復興するには→2015/02/26

徳浄さん

1
キリスト教と仏教の本質を比べるという課題から、この本を手に取った。自分が嫁した家は浄土真宗で、実家は臨済宗だったので、宗門同士を比べることは良くしていた。しかし、本来の仏教がどこから(インドのゴーダマ仏陀に由来することは知っていたが)どう辿って来ているか、その教えがもともとどんなもので、日本に伝わったのはそのほんの一部であるとか初めて知った。仏教徒は元々は墓を持たない、回忌法要はしないとか、日本では普通に行われていることが、中国を経由したことで、道教の思想も入ってそうなったとか、驚きをもって読んだ。2016/07/28

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