内容説明
田舎の公立学校で学び、アイビーリーグの先生になった著者の願いは「日本の子どもに学ぶ喜びと作法を伝えたい」。先行き不透明な時代を生き抜く、不動の「学ぶ力」をいかに身につけるか。大人はそれをどうサポートすべきか。教養教育の名門イェール大学で学び教えた10年間の経験と実感を込めた、渾身の「子どものためのリベラルアーツ」指南書。教育に関わるすべての人に。
目次
序章 「グローバル時代」に必要な知力とは
第1章 日本の子どもが得意なことと苦手なこと
第2章 「問う」ための環境づくり
第3章 「考える」ための学問の作法
第4章 「表現する」ための読書法
第5章 「学問」として各教科を点検する
第6章 英語を学ぶときに覚えておいてほしいこと
著者等紹介
斉藤淳[サイトウジュン]
1969年山形県生まれ。J PREP斉藤塾代表。上智大学外国語学部英語学科卒業、同大学国際関係論専攻博士課程前期課程修了後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院を経てイェール大学大学院政治学専攻にて博士号(政治学)を取得。フランクリン・マーシャル大学助教授等を経て2008年イェール大学政治学科助教授に。2012年に帰国し、東京都と山形県で英語と教養を教える私塾を創業。2002‐03年衆議院議員(山形4区)。2010年『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)で日経・経済図書文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
き
56
数年前に買って積読していた本を読んだ。「正しく学ぶ方法と、自ら問うことを忘れなければ、君は何にだってなれるんだよ」という言葉が印象的。2022/01/02
ユウキ
15
リベラルアーツの重要性を説く本。日本国内でもリベラルアーツで脚光を浴びる国際教養大学の人気化などの事例を考えると著者の主張は妥当かなと思う。でも著者自身が懸念している通り日本社会の均質性がこうした教育の浸透を阻む可能性はある。日本人が「忖度する力」を得意とするのは、アメリカのような極端な多様性が「ない」からでしょう。結局こうした教育が教育現場に導入されたとしてもまずはエリート教育を受ける層から浸透しはじめ、全体に浸透するまで相当長い期間、教育は2極化すると思います。それでいいのかどうか。教育問題は難しい2018/03/17
yuuuming
14
自分が中学高校と感じてた違和感が明確に言語化されてて、やっぱりあのときの違和感ってこういうことだったのねっていう瞬間があったり。が、想像以上に子どもにどう教育するかが大きくて、そこはまだ必要ないんだが…って思いました。子どもの主張に対して根拠を求めましょうってなったとき、自分はきちんと根拠も含めて説得できるんだろうか?大学時代に読んでたみたいな専門書って読みたいなーって思うんだけど市井の図書館にはないのよね。自分で買うには高いし。入門書からそこにある気になった参考文献を読みあさるというのは確かにやってたな2014/11/27
MOCCO
13
★★★★★:久しぶりに、じっくりと読んだ1冊。子供向けというより、まだまだ未熟な自分に向けて「問い、考え、判断、表現」する力の重要性を見直す、非常に良いきっかけとなった。「正解は常に更新される」、「抽象と具体を行き来する」など、弁理士の論文試験や、特許明細書の作成に必要な能力のエッセンスになるものも感じた。人生、学ぶべきことだらけです。2015/01/08
さや
12
自分自身に対し振り返りながら読んだ。10歳からと書いてあるが、何歳から読んでもよいと思う。だが、広く述べている判明、ひとつひとつが少し浅くなってしまっている面もある。それでも、イエール大で学び、日本の現状も知っている筆者だからこそ見えるものがあり、参考になる。知を広く見るとっつかみとなる。2016/05/13