一週間de資本論

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140814383
  • NDC分類 331.6
  • Cコード C0036

内容説明

難解なことで知られるマルクスの『資本論』に、いまふたたび注目が集まっている。ベルリンの壁の崩壊以降、資本主義が一人勝ちし、新自由主義が推し進められたことで、経済は混乱し、失業者があふれ、社会に格差が広がった。貧困、派遣切り、金融危機…、まるでマルクスの時代に舞い戻ったかのような現代、『資本論』を二一世紀の課題に向き合う“新たな”思想として読み込むための恰好の入門書。

目次

第1章 資本主義社会の「謎」
第2章 労働者は資本に搾取されている!
第3章 恐慌は資本主義にとって必然か
第4章 21世紀に『資本論』を生かすには

著者等紹介

的場昭弘[マトバアキヒロ]
1952年、宮崎市生まれ。神奈川大学経済学部教授。慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シュラフ

14
『資本論』は難解な書物であるのだが、ポイントをよくまとめてくれている。一番の肝は、売上高(使用価値)-費用(交換価値)=利益(剰余価値)、であろう。資本家の行動原則は、この利益(剰余価値)を極大化すること。このため長時間労働(絶対的剰余価値)と分業・機械化(相対的剰余価値)がすすめられる。だが、競合があるため利益(剰余価値)は低下していく、そしてやがて行き着く先は恐慌となる・・・。経済の表面的な部分ばかりに気を取られていると世の中が見えにくくなってくるのだが、『資本論』の理屈というのは実によく分かる。2015/05/14

11
マルクス著『資本論』の超要約書。要点4項目を原著を引用しながら解説し、裏の意味の考察も加えられている。抽象的で難しいながらも読みやすく、ポイントは押さえることができた。初心者なので深い理解には至らなかったが(特に一章の「商品」はまだ掴めていない)、今後に繋がる一冊になると思う。2015/01/15

タナカとダイアローグ

10
社会科学やってます、っていうために資本論は読んでおかないとなと10年くらい思っているが未遂。100分で名著企画の前身?こういった良企画のせいで(おかげで)手が伸びんのよ。資本論のすごいところは、まず商品を分析することにあると思う。商品っていうのがいかに特殊であるか、労働力が商品になったときにどうなってしまうのか。人類学と共に近代がどういうことになるかを考えていたと思うので、次は人類学をすこし読む…。資本論は手元にあるのだけれど…。こうして後回しになり続ける。余談、的場先生は見た目もマルクスっぽい。2023/08/15

荒野の狼

7
本書はNHKで放送された30分番組4回分(全部約100分ということになる)の内容をもとに書き下ろされた的場昭弘の本。現在もネットで動画は視聴することができるので、本書を読む前後に動画を視聴してもよいが、本書単独でも十分な理解が得られる。多くの資本論の入門書は第1巻の解説にとどまるが、本書は資本論全3巻にまたがって書かれている内容を視点を絞って解説している。たとえば恐慌についてはマルクスは1、2、3巻それぞれで言及しているのを本書ではまとめて解説しているので把握がしやすい。2018/03/24

きむロワイヤル

6
資本主義の対抗としての社会主義国家が事実上無くなり、資本主義一色になった社会、そしてグローバル化が進み、世界市場が現れた現代、いまこそがマルクスが予言した、資本主義の終焉そのものではないか、と考えると資本論も今読むべき本と言えるのではないか?2017/04/03

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