NHKブックス<br> 可能世界の哲学―「存在」と「自己」を考える

NHKブックス
可能世界の哲学―「存在」と「自己」を考える

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  • サイズ B6判/ページ数 247p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140017906
  • NDC分類 104
  • Cコード C1310

出版社内容情報

「シーザーがルビコン河を渡らなかった世界」、「私が私でない世界」…ものごとの無数の可能性が、現実とは違う時空間に実現している。西欧哲学の「可能世界論」を通して"私が存在する"ことの不思議を解きほぐす。

内容説明

現実とは異なる時空間に、無数の「ありうる世界」が実在している…西欧中世の神学者たちが唱えた、この途方もない考えは、今世紀、可能世界論という名称で、現代哲学に再登場する。なぜ、現実以外の他の世界を考えるのか?可能世界とは何か?その実在は信じられるか?量子論や宇宙論など、科学の発想と可能世界論を結びつけると、生命や宇宙の謎に対し、どのような照明が投げかけられるのか?―ソクラテス以来の西欧形而上学の正統を受け継ぐ可能世界論、その学問的射程を探り、「存在」や「自己」の不思議さに、従来の哲学書とは違った角度で迫る。

目次

序 「何でもあり」の世界観―可能世界へようこそ
第1章 可能世界に何ができるのか
第2章 可能世界のネットワーク
第3章 可能世界とは何なのか
第4章 可能世界は本当に有るのか
第5章 自然科学と可能世界
第6章 可能世界の外側

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

7
まさに哲学といった感じの思弁的空論。だからこそ、有用性にばかり囚われる現実志向の方々が触れないままにしておく「この現実でない世界の可能性」を考え抜きたい人にとって、良い導きとなるはず。抽象的で何の役に立つのか判らなかった様相論理学を直観的に理解できるようにするツールとしての可能世界論から、単独性、弁神論、倫理にまで飛躍するクールな昂揚は、分析哲学者によくある「文学的な」大陸哲学disをもれなく付け加える著者の意向にもかかわらず、ドゥルーズの(不)可能世界論に劣ることのない文学的な滋味がある。2014/04/24

デコボコ

6
様相論理の入門書として、かなり良いと思いました。記号論理学ファンならぜひ、第1,2(,6)章と巻末のブックガイドを読むべき。2014/12/26

ミツ

4
要再読。 可能世界論という一つのジャンルがちゃんと有る事を知って驚いた。 フランス現代思想とは一線を画し、英米分析哲学、記号論理学の流れを汲んでいる。 記述論理、世界の在り方、人間の意識と心、無限と集合など扱う対象範囲が膨大で頭が痛くなった。 内容は観念的抽象的で非常に濃く日常的に親しみのない概念がバンバン出てくるので読み進めるには相応の理解力と体力が必要。 “「何でもあり」から「全てはあるがまま」へ”2010/06/07

shin

2
怪しい本ではなく、きちんとした分析哲学の入門書。論理を突き詰めると、可能世界の概念が自然に導入され、功罪ありながらも、哲学の諸問題を議論する上で非常に見通しがよくなる。題名の「存在」と「自己」にも一定の結論が与えられるのだが、ハハ、これはロジカルハイ。沼にハマってしまいそう。2020/08/17

Arowana

2
(メモ1)凄かった。まさにロジカルハイ。恥ずかしながら齢34にして初めて「可能世界論」という学問分野の存在を知るに至った…情弱の極み…。他の著書も読んでみたくなった。十分に理解はできなかったものの、要点が綺麗にまとめられており、非常に楽しみながら読み進められるためロジック系が苦手な方にもかなりお勧めできる良質な必読入門書だと確信しています(╹◡╹)♡2018/02/19

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