内容説明
日本語の言語としての特質を知ることは日本語を効果的に使うためにも、外国語を学ぶ上でも、重要なことである。また、言葉は文化を背負っているものであるから、日本語の特質をさぐることは日本文化への理解を深めることでもある。漢字をはじめ多くの外来語を取り入れながら発達してきた日本語の発音・表記・語彙・文法などに現れた独特の性格を、外国語とも比較しながら明快に説く。
目次
序章 日本語の性格を知ることは
1 世界の言語と日本語
2 日本語の発音
3 日本語の表記
4 日本語の語彙
5 日本語の文法
6 日本人の表現
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moonanddai
9
長年の疑問というか懸念が解決しましたW。昔から、私のアクセントがおかしいおかしいと、北海道生まれの娘らも含め言われ続けてきました。でも、どうやら東京アクセントでも京阪アクセントでもなく、「アクセントの区分が全然ないという、大変さっぱりした地方がありまして」、それがどこかというと「茨木、栃木から宮城県のあたりまで」ということのようです。確かに「かき」だの「はし」だの「かま」だの言うと、ずいぶん笑われたものです。ある意味、どちらにも聞こえない…。でも、これは「仕方ない」、生まれた場所のせいだったのです。2020/02/03
シロクマぽよんぽ
5
中学生に国文法を教えるのでタイトル買い。外国語との比較によって、日本語の優れた点と難しさ双方が見えてくる。外国語を教える際にも参考になる一冊だろう。古い本だが、現代でも通用する良書。2022/04/10
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
5
【ココロの琴線に触れたコトバ】つまり、人に物をもらいますと、たいへん日本人は苦しむ。このことから、日本人は人に物が簡単にあげられないのです。「これをあなたにあげたなら、あなたはお返ししなければいけないと思うだろう」と思うのです。それをやわらげるためには、他人に物を贈る場合に、日本人らしいあいさつが生まれます。たとえば、「まことにつまらないものですが」というような。2015/07/31
のうみそしる
2
少し古い時代に書かれた本だが、今でも通用する理論だということで、春彦さんは優れた学習なんである。青森方言ではハネル音、ツメル音が前へくっつく。バスク語のponetekilakoarekinは一語で「帽子を被った人と一緒に」という意味。つめたい、は爪痛いが語源。などなど、面白い話ばかり。そして、自然に相手を思いやる日本人の優しさを言語の仕組みから解き明かす。2017/07/06
ショウ
1
分析が非常に丁寧。他の文献も網羅しており、情報に抜けがない。 2023/01/06