出版社内容情報
室町時代の中―後期に一世を風靡した,パフォーマンス性のきわめて強い風流能(ふりゅうのう).本書は金春禅鳳の作品や伝書を手がかりに,当時の能と宗教,他芸能,蹴鞠・兵法などの芸道とのジャンルを越えた交流の諸相を,生き生きと浮かび上がらせる.
内容説明
室町後期を中心に活躍した能役者の金春禅鳳(享徳三―天文元?)は、異色の能の作者とされる。しかし、他の能作者に比べて立ち遅れており、個々の作品についても検討されるべき点は多い。そこで本書では禅鳳の神能を取り上げ、それらに共通する素材・構想面における特徴について考察している。
目次
第1章 禅鳳の神能
第2章 宗教的素材の受容
第3章 恩愛霊験能の一変容
第4章 古市澄胤の周辺
第5章 能の身体の成立