出版社内容情報
作品相互の関係性や様式に着目したのち,美術史学は図像学,図像解釈学的観点から主題の意味を探る.テクストの規制に従い,ときに外れながら生み出される造形,ダブル・イメージなど,仏画,山水画といった多様な作品を通して図像の意味を読み解く.
内容説明
美術の社会性・歴史性を問う。美術品が生成・機能した場を復元し、美術をめぐる人間のいとなみを探る。
目次
第1章 造形の居場所(仏像をめぐるいとなみ―上代法隆寺を場として考える;花鳥の居場所―西本願寺書院のイメージ・システムを中心に;殿様の銅像)
第2章 造形と個別の磁場(頂相管窺―成立をめぐって;詩画軸の構造と場―杜甫の詩意図をめぐって;屏風=儀礼の場の調度―葬送と出産を例に)
第3章 造形の生きる社会(院政期の僧綱仏師をめぐる仏像制作の場―仏師賢円を中心にして;ジェンダー論―地獄に堕ちた女たち;生身仏像論;錦絵の制作と流通)