内容説明
1980年代から2000年代初頭にかけて大卒就職の変容過程を、データに基づき客観的に描き出す。
目次
序章 大卒就職の何が問題なのか―歴史的・理論的検討
1章 日本の大卒就職の特殊性を問い直す―QOL問題に着目して
2章 大卒就職機会に関する諸仮説の検討
3章 1990年代以降の大卒労働市場―就職活動の3時点比較
4章 中堅女子大生の就職活動プロセス―活動期間と内定獲得時期の規定要因
5章 大学就職部の斡旋機能とその効果
6章 「OB・OG訪問」とは何だったのか―90年代初期の大卒就職と現代
7章 「自己分析」を分析する―就職情報誌に見るその変容過程
8章 なぜ企業の採用基準は不明確になるのか―大卒事務系総合職の面接に着目して
著者等紹介
苅谷剛彦[カリヤタケヒコ]
1955年生まれ。オックスフォード大学社会学科および現代日本研究所教授
本田由紀[ホンダユキ]
1964年生まれ。東京大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ことり
1
「最近の大卒就職って大変らしいね~」と漠然と思う人は、是非この本を読むべき。大卒文系の就職時の選抜基準は何故曖昧になるのか、というこれ自体曖昧なテーマをスッキリ解説していた論文が面白かった。教育の出口と労働の入り口との接点が上手く行っていないことはかねてから問題となっていて、それを教育社会学から実証的手法で捉えかえした力作だと思いました。2015/07/15
YH
1
就職を社会学という視点で科学している学術書である。東京大学の就職研で実施された共同研究の成果ということで、調査、分析手法を知ることができた。研究はいろんな方法、視点があるんですね。難しすぎてわからない。 必要なときにまた読みたい。2012/12/29
りっか
0
個人的には7章「自己分析」を分析すると、8章なぜ企業の採用基準は不明確になるのかが面白い視点からの研究だと感じた。経済学部の自分としては採用・就職というトピックに経済学ではなく社会学という視点から取り組んでいることが新鮮で勉強になったと感じた。2017/08/31