内容説明
希望学は終わらない。凄惨で過酷な現実は、希望の母でもある。過去や現在の悲惨な事実に正面から向き合うことなく、未来の希望を語ることはできない。それは、全4巻を通じた希望学全体のメッセージである。
目次
第1部 人類学がみつけた希望(オバマの希望―「もう‐ない」から「まだ‐ない」へ;法に希望はあるか?―擬制が生む希望の力;法と夢想と希望―フィジーの公立老人ホームで考える)
第2部 成長の向こうにある希望(開発学にとっての繁栄、幸福と希望の意味―ブータンと水俣の事例から;ホープ・ウィズ・ウルブズ―他者との「交渉」パラダイム;社会性のいま―感情、家族、そして日本の子ども)
第3部 福祉社会の新たな希望(希望が台無し―逆機能する生活保障システム;足場とブレーキ―希望の条件としてのベーシック・インカム)
第4部 医療と性における希望(先端医療は希望か?―医学の進歩と患者のリスク;性をめぐる権利と希望―労働から人格権へ)
著者等紹介
玄田有史[ゲンダユウジ]
東京大学社会科学研究所教授。専門は労働経済学
宇野重規[ウノシゲキ]
東京大学社会科学研究所准教授。専門は政治思想史・政治哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きいち
1
希望は、未来に属することだけれど、希望が希望として成り立つためには過去のネタを新しく読みとって、今現在を意味付けしなおす必要がある。。と、10通り読むとかなり折伏されたような気がする。ベーシックインカムやセックス労働規制などの是非は、それはそれとして、希望へ結ぶ結び方は、勇気が得られると思う。2011/04/29
1_k
0
「希望学」と銘打っているが、あまりまとまりのない、雑多なジャンルの論文集。多分、1~3巻にまとめきれなかったのを4巻に押し込めたのか。この巻から読み始めるのはやっぱ邪道だったか。残りの巻にも順次着手したい。2013/02/23
陽香
0
200907232012/03/07
ハルロオ
0
希望について考えていたら希望が生まれるわけではなかった。2010/08/17