出版社内容情報
「9・11」事件以降,西欧世界を中心とした「民主主義」陣営対「イスラーム」陣営(独裁体制)という二項対立の思考が広がりつつある.時代間・地域間の実証的比較研究によって「イスラームか,民主主義か」という二者択一論を越えた社会像をしめす.
内容説明
「イスラームか、民主主義か」この二者択一論を超えて。伝統と現代、地域の分析軸に民衆運動というファクターを導入して9・11事件以後の世界が抱える諸問題を解きほぐす。
目次
イスラーム世界の民衆運動と民主化
I 伝統的社会における自由と民衆(イスラーム思想における自由―聖典解釈の正統性とその基準;裏切るクーファ市民―ウマイヤ朝末期ザイドの反乱にみる民衆の政治意識の結末)
2 過渡期における民衆運動と民主化(民主主義の受容と混乱―エジプト1923年憲法;南部フィリピン・ムスリム社会の山賊と民衆―「恐るべきラナオの王」の反乱;アラブ共産主義者の受難;中東における非宗派主義と政教分離主義の展開)
3 民衆運動と民主化のジレンマ(マレーシアの政治体制と二つの民衆運動;インドネシアの地域騒乱―宗教・民衆紛争なのか;中央アジアの体制転換と社会的緊張;ブルハーミー教団と現代エジプトのイスラーム復興;トルコの民主化・宗教自由化とイスラーム運動の発展)
著者等紹介
私市正年[キサイチマサトシ]
1948年生。上智大学外国語学部アジア文化研究所教授。中央大学大学院東洋史専攻博士課程修了(イスラーム民衆史、マグリブ・アラブ地域研究)
栗田禎子[クリタヨシコ]
1960年生。千葉大学文学部史学科助教授。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了/学術博士(スーダン・エジプトの近現代史)
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ドウ
Kenji Suzuya