出版社内容情報
ドイモイ政策採用から15年を経たヴェトナム.共産党体制はどのように変化してきているのか.現行の政治体制の制度や組織を追うだけでなく,その実際の運用や背景をなす歴史的規定因に迫りながら,ヴェトナム現代政治の動態を描き出し,その行方を展望する.
内容説明
グローバル化の波の中でヴェトナムはどこへ行くのか。歴史、制度、人々の暮らしの視点からヴェトナム政治のダイナミズムに迫る。
目次
序章 ヴェトナム政治の現状と分析視角
第1章 ヴェトナム社会を育んだ歴史地理
第2章 政治社会の三つの顔
第3章 ホーチミン
第4章 共産党、軍隊、祖国戦線
第5章 国家機構
第6章 人々の暮らしと政治
終章 ヴェトナムの行方
著者等紹介
坪井善明[ツボイヨシハル]
1948年埼玉県鴻巣市生まれ。1972年東京大学法学部卒業。1982年パリ大学社会科学高等研究院博士号取得。現在、早稲田大学政治経済学部教授、社会学博士
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感想・レビュー
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東京には空がないというけれど・・・
2
専門書であり、研究書なのだが、実に読みやすい本。ベトナムの政治について、実によくわかる。共産党一党支配であるが、「歴史的役割は終わった」と認識している改革派が育ちつつある状況など、実に生々しい調査研究である。ベトナムが好きな方は、一読の価値はあります。2017/10/21
Ishida Satoshi
0
読了。ベトナムにおける改革ドイモイ政策採用からベトナム社会、共産党体制がどのように変化してきたかを書いてある本書。現行の政治体制の組織や制度を語るだけではなく、その思想的バックボーンであるホーチミン思想などわかりやすく紹介。地域の職業斡旋の役割が大きい共産党青年部、ホーチミンの神格化、戦争体験の希薄化と若い世代にとっての共産党存在意義などの箇所は、個人的に興味深く読ませていただいたところです。著者曰く、ベトナムとは古くから中国人 、フランス、米国と大きな戦争体験を経た中で、傷魂と優雅さを備えた「したたかな
ろーじゃ
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ベトナムの政治をざっくり眺めた本です。北部・南部の違いや歴史がベトナムの政治に大きな影響を及ぼしているので、そういった観点から学習できるのは面白かったです。 中国よりも機密や共産党批判に厳しいので、主観や憶測に頼らないといけない面があるのがベトナム政治の難しさで、著者の方の苦労が伺えました。2013/01/14