内容説明
国際政治の狭間で揺れ続けた“アジアの要衝”台湾の政治ドラマを描き、新体制の未来を示した通史の決定版。
目次
現代台湾政治への視座
第1部 前提・初期条件・起動―一九四五‐一九八七年(多重族群社会としての台湾―歴史的前提;戦後台湾国家と多重族群社会の再編―初期条件;不条理の亢進と体制手直し―起動過程)
第2部 中華民国台湾化の展開―一九八八‐二〇〇八年(民主体制の設置―「憲政改革」の第一段階;主権国家への指向と民主体制の苦悩―「憲政改革」の第二段階;ナショナリズム政党制の形成と展開;多文化主義の浮上;七二年体制の軋み)
中華民国台湾化と台湾海峡の平和
著者等紹介
若林正丈[ワカバヤシマサヒロ]
1949年長野県に生れる。1972年東京大学教養学部教養学科卒業。1985年東京大学博士(社会学)。1995年台湾・中央研究院民族学研究所客員研究員。現在、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rubeluso
3
ひとことで言えば「中華民国台湾化」の傾向を丹念に追っていき、今後もその流れは変わらないだろう、と述べた本だと思う。この本が出版された2008年総統選で国民党の馬英九が当選してしまったのでそれを理論に組み込むのには苦労されたのではないかと邪推してしまう。 フィクションで塗り固めた国家の不安定な過去と現在、そして未来が分析されており、こうした国家が日本のすぐ近くにある(日本もそのフィクションに加担しているのだけど)のも面白い2014/07/29
芦田均らしきサムシング
1
レポートに使用。相当根気のいる本だが台湾研究には必要だろう。戦後台湾を規定していたものが「アイデンティティ」と「国際構造」であることがわかる。2012/06/24
のとや書架
0
ゼミのテキスト。中華民国台湾70年の政治が語られている。1972年の米中国交以降の時代を、特に「中華民国台湾化」の流れから分析している。2011/07/16
muko1610
0
★★★2009/04/07
papahaba
0
戦後、専制「中華」国家から「他民族」民主主義へと変異していく歴史過程、背景を丹念に解明した、台湾政治理解の必読書。2021/01/18