出版社内容情報
戦間期の中国は列強に翻弄された受動的な存在ではなく,主権の回復・強化をめざし,国際関係にも新たな衝撃をあたえる主動的な存在であった.本書は,外交と経済との接点である関税政策に焦点をあわせ,近代的国家形成を追求した中国の実像を描く.
内容説明
戦間期中国の経済発展と対外戦略について、中・日・英など各国の公文書を主とする一次史料とその史料批判に基づく経済政策史的・政治外交史的な考察を進め、本来あるべき近現代史研究をめざした試行錯誤の中間的な総括。
目次
第1章 「財政外交」戦略と28年関税
第2章 日中関税協定と30年関税
第3章 対英米連携・抗日戦略と33年関税
第4章 対日譲歩戦略と34年関税
第5章 日中戦争前夜の関税貿易政策
第6章 関税による財政確立と経済発展
第7章 国民政府成立期の海関行政と日・英
第8章 幣制改革とその後の中国経済