出版社内容情報
「孝」は東アジアで重要視された親子関係の倫理であったが,中国では,その淵源は祖先崇拝という宗教現象にあったといえる.西周春秋時代の青銅器銘文から,戦国時代の『孝経』を中心とする儒家の典籍までを丹念に読解し,その思想的発展を辿る.
内容説明
本書は一九九四年四月にカナダのブリティッシュ・コロンビア大学に提出した著者の英文による学位論文The Philosophy of Filiality in Ancient China:Ideological Development of Ancestor Worship in the Zhanguo Periodの日本語版である。
目次
第1章 祖先崇拝の研究史と問題点
第2章 西周春秋時代の孝と祖先崇拝
第3章 戦国時代における祖先崇拝と「孝」の思想
第4章 『孝経』の構成とその思想
第5章 『孝経』と関係する諸文献―いわゆる曾子学派の「孝」思想
第6章 「孝」思想の達成したもの
著者等紹介
池沢優[イケザワマサル]
1958年東京に生れる。1982年東京大学文学部卒業。1990年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。1990年筑波大学大学院地域研究研究科文部技官。1994年ブリティッシュ・コロンビア大学大学院アジア学科博士課程修了、Ph.D。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教授
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