内容説明
宣教師ルイス・フロイスの著書『日本史』の中から、十六世紀日本の人物、事件・風俗、文化に加えて、今まであまり触れられることのなかった布教にまつわる話も数多く紹介。さらに、『日本史』の欠落部分をリスボンの図書館で発見するまでの経緯も初めて明かされる。
目次
幻の写本を追って(リスボンへの旅;フロイスの写本を追って ほか)
事件・風俗(日本人のあべこべ;ザビエルの都における動向について ほか)
人物(将軍義輝と会う;織豊時代の生き証人 ほか)
布教(十六世紀にキリシタンとなった日本人の数;十字架の話を喜んだ中世のキリシタン ほか)
キリスト教と日本人(愛と憐れみの神;この世から悪はなくならない ほか)
著者等紹介
川崎桃太[カワサキモモタ]
1915年(大正4年)山口県俵山(現長門市)生まれ。ブラジル、リオ・デ・ジャネイロ州ノーヴァフリブルゴ市アンシェータ大学哲学科卒業、サン・レオポルド市クリスト・レイ大学大学院修了。京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全十二巻(共編訳、中央公論社)にて第二十九回菊池寛賞と毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
薬師寺 五郎
2
宣教師フロイスの著書「日本史」の欠落部分の発見過程が運命的である。そしてそこに登場する戦国日本の著名人や武士、僧侶、庶民などの様子はとてもリアルに描写されていて、例えば理不尽な朝鮮出兵は秀吉の外交無知と絶対権力者の傲慢から始まり、秀吉の死で漸く終了し多くの悲劇をもたらしたと厳しく断罪している。そこまで秀吉が無知だったとは意外であるが事実なのだろう。 当時の風俗、習慣、宗教、政治などがよく分かる良書である。 ラテン語、ポルトガル語などに精通した著者が長年に渡り心血を注いだ成果に頭が下がる思いである。2015/04/11
あっちゃんのパパ
0
評価=3:間違えて、続から読み始めてしまった。戦国時代に見知らぬ日本にキリスト教の布教のためにはるばるヨーロッパから来て、さまざまな困難にも拘らず、我慢強く信者を増やした宣教師には、驚かずにはいられない。金目当てではなく、宗教心の強さだ。後半は、フロイスには直接関係ない信仰についての著者の思いが述べられている。2022/01/04
lop
0
当時の宣教師やキリシタンのエピソードと作者がフロイスの本を出すまでが書かれてました。 前作とは違いなかなか読み進められなかった。 なんか流れがピンとこず、集中できなかった。 前作だけでよかったかな。2021/03/18
totapoo
0
内容的にはほぼフロイスの見た日本のダイジェスト。前作で大体わかったらこれを読まずともよい。しかし、16世紀のキリスト教の布教の仕方として面白いのは告白とむち打ちが何度も出てくることである。むち打ち苦行はカルトとして欧州ではすでに異端とされていたはず。なのでイエズス会はやはり異端だなと気づく。また、キリスト教について告白とむち打ちをして受洗すれば身分の差なく来世の幸せが得られるというような受け止め方がされていたようで、これは阿弥陀思想とほぼ変わりがないほどわかりやすい。繰り返される記述で気づくことはある。2021/02/02
-
- 和書
- 物言う術 (再新訂版)