内容説明
「兄宮昭和天皇は孤独で寂しかった」―大正天皇を支えつつ四人の親王(昭和天皇、秩父宮、高松宮、三笠宮)を育て上げ、皇室の意義を身をもって伝えた貞明皇后。皇后が過ごされた激動の戦中・戦後を、三笠宮崇仁親王、同妃百合子両殿下が回想する、昭和史における貴重な証言。
目次
第1章 澄宮ご誕生から大正天皇崩御まで―「三笠宮双子説」の真偽
第2章 開戦前夜、三笠宮と百合子妃の婚儀―陸士から陸大へ
第3章 毅然たる貞明皇后の宮中生活―御親蚕と福祉の日々
第4章 「若杉参謀」南京へ赴任す―対華新方針
第5章 死なばもろとも―火炎の中の三笠宮邸
第6章 孤独で寂しかった昭和天皇―緊張の終戦前夜
第7章 貞明皇后の生まれ変わり―近衞〓(やす)子さんの「おばば様」
第8章 戦後の混乱と貞明皇后崩御まで―勤労奉仕団への心配り
インタヴューを終えて―貞明皇后のご遺徳とその継承
著者等紹介
工藤美代子[クドウミヨコ]
1950年(昭和25年)生まれ。チェコスロヴァキア・カレル大学を経て73年からカナダに移住し、バンクーバーのコロンビア・カレッジ卒業。91年『工藤写真館の昭和』で講談社ノンフィクション賞を受賞。93年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
8
著者は三笠宮夫妻と長女の近衞甯子から直接に話を聴いているが、三人からは、天皇家や皇族たちの人間としての生き様がはっきりわかるようなエピソードが多数聞き取られている。また、三笠宮は戦中の日本軍の蛮行などにも言及しており、驚くべき内容ではないかと思った。 歴史的史料としての意味をもつ一冊だとも感じた。2019/09/26
けいちか
5
インタビュー形式で話が進み、途中で解説が入る、分かりやすい構成。戦時、戦後史や皇室に関しては、こういう本を読んで知識を得ないと、自分からは中々勉強できない。2016/08/19
sasha
3
寛仁親王殿下のお口添えで三笠宮両殿下へのインタビューが実現して書き上がったのが本書。香淳皇后とのエピソードで怖いお姑さんとの印象があった貞明皇后だが、百合子妃殿下には濃やかなお気遣いをされたのだな。おふたりが語る貞明皇后のお人柄は勿論だが、長老殿下が語られる戦中のお話は歴史的証言ともなっており大変興味深い。関東大震災後、「着る物のない人もいるのだから」としばらく夏服でお過ごしになった貞明皇后。見習って欲しいよ、今の皇太子ご一家に…。2014/12/07
さればいや
2
百合子妃殿下のお美しい日本語、時々お出しになる宮中独特のお言葉が印象的な良書。インタビュー形式が読みやすく、素顔の宮家の方々を垣間見ることができます。貞明皇后(大宮さま)の意外な女性らしい一面も知れる本。2012/06/01
よくこ
1
図書館で借りて読んだ2018/12/04