内容説明
大震災から数ヶ月が経過したが、政治も社会も落ち着かない11年下半期。首相の交代、大臣の失言、天災の連続。海を越えれば、欧州危機からカダフィ、金正日の死去…時事問題に触れながらも、季節の折々に被災者に思いを馳せる。この半年を名コラムニストはどう切り取ったのか。
目次
7月(セミの答え;1年の真ん中で ほか)
8月(甲子園序曲;「なでしこ」の栄誉 ほか)
9月(又三郎の日;団扇万来 ほか)
10月(ワサビの効用;せめてあと3日 ほか)
11月(大切な家族;居候の自覚 ほか)
12月(やるぞみておれ;バリケート気質 ほか)
著者等紹介
竹内政明[タケウチマサアキ]
読売新聞論説委員。1955年、神奈川県生まれ。79年、北海道大学文学部哲学科宗教学専攻卒業後、読売新聞に入社。長野支局を経て、東京本社・経済部で財政、金融などを担当。98年に論説委員会に移り、2001年7月から朝刊一面コラム「編集手帳」を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
49
各新聞のコラムは読むようにしています。この年はこんなことがあったなということが思い出されます。2018/12/29
KAZOO
13
2011年の下半期分です。大震災のあとで、善意の語りかけにつかれてしまったと著者は書いておられます。できるだけ笑いの要素を入れようと努力された時期のようです。ユーモアとは『にもかかわらず』笑うことである、という哲学者の言葉を引用されていますが、まさに心に屈託を抱えながら人を笑いに誘うのがユーモアだということなのでしょう。2014/07/28
壱萬弐仟縁
2
朝日新聞の「天声人語」とどう違うのか、読み比べるためには必要な本。紙面ではぎっちり書き込まれているが、新書になると、意外にシンプルな文章になっているので、一文を長く書いてしまいがちな評者にとっても、心がけておきたい、簡潔な文章の型を学べると思った。2012/04/27
山田
0
読売新聞で連載されている編集手帳をまとめた本。2011年7月~12月までがまとめられている。 この年は東日本大震災のムードが落ち着いてきたが、福島の風評被害のニュースが目立った。 震災の影響を引きずりつつも、政治のニュースがちらほら見えてくる。復興が進んでいる証とはいえ、政治不信が進んでいるという表れともいえるのが残念な年であった。2016/11/28
みつんば
0
昨年7月~12月までに読売新聞一面に掲載された「編集手帳」をまとめたもの。3月の東日本大震災後の出来事が思い出される。特に、政治的混乱に対して厳しい言葉を投げかける筆者に激しく同感。野田首相には、鳩山、菅から引き継いだ負の政策を、どうにかプラスの方向に戻してもらいたいものだ。2012/02/24